氷ノ山のブナ林今昔

先日の三ノ丸登山、少し通常のコースから外れて坂ノ谷の源流部を探ってみて、あらためて感じたのは氷ノ山周辺のブナ林の豊かさだった。約250万年前に噴出した火山の名残りだという氷ノ山は、今も中国山地の山にしては大山に次ぐスケールの大きな地形を残して…

氷ノ山(三ノ丸)

好天の土曜は3週間ぶりに戸倉コースへ。前回はまだ雪が締まっておらず、ほとんど林道歩きだけで終ってしまったが、その後冬型が緩んで温かい日や雨の日が断続し、もう楽に歩ける雪になっているはず。戸倉トンネル東口から旧道を埋める雪に乗ると、案の定、…

金沢21世紀美術館

正月旅行で訪れた標記の美術館の見学記。一般の美術館とはまったく印象を異にする面白い体験ができたので。 第一の見どころは建物そのもの。直径100メートルほどの偏平円筒形のガラス外壁のシェルに、上の見取り図のように十幾つの大小の箱がささったような…

鉄斎美術館

久しぶりに清荒神もうで。国道176号から山側に上る道は、いつも休日は参拝の車で渋滞していたものだが、駐車場が拡張されてかなり解消されている。すんなり山に上って、とりどりの出店が楽しい参道を抜けて、人の多い境内に入る。しばらく見ない間に史料館な…

ポスト親指シフトノート

液晶がだめになった純正親指シフトノートの後釜探しがようやく決着。各メーカーのミドルサイズノートやいわゆるCULVノートを探しに探しても見つからなかった親指シフトに適したキー配置のノートパソコンが意外なところに見出された。なんと、かのThinkPadシ…

デジイチの耐低温性能

先日の明神平には古い方のデジタル一眼のNIKON D40を持っていったのだが、途中から電池残量無しとなって撮れなくなってしまった。もちろん低温の影響なので、食事の間、カメラを懐に突っこんで温めていたらめでたく回復。その後は、ジャケットにかくまいなが…

二つの震災

ハイチ地震の想像を絶する現場写真。Earthquake in Haiti 天災というのはほんとうに厄介なものだ。加害者なき大量殺戮。怒りをぶつける相手がないし、戦場のようにヒロイズムの慰めが露ほどもないから、悲しみを和らげる拠り所もない。 それでも15年前の阪神…

明神平

土曜はK氏との初登り。折しも強力な寒波の終盤で、雪と特に霧氷に期待しつつ大又からの道を詰める。途中の明神滝は今年の寒さで例年になく広範囲に氷結している。登山道の周りの雑木は枝先まで繊細に白くなっていて、登るにつれてそれが厚くなる。今日の霧…

厳寒

昨日の夕方ぐらいから気温が急降下し始めて、今シーズンたぶん第3弾の寒波に突入。今日などは冬将軍が氷のように冴えかえった抜き身を閃かせて、列島を睥睨しているような寒さ。いや、雪女郎が細い真っ白な指で手招きをしつつ、凍りついた懐に人を抱き込も…

戸倉林道

国道29号戸倉トンネル東口の、雪がたんまり積もったライブカメラを見ているうちに、矢も楯もたまらなくなって日曜早朝から出かけた。12月中旬から急ピッチで積雪があり、県境尾根の笹藪ももう埋もれているだろうが、まだ雪が締まっていないからラッセル必至…

金沢

正月旅行は北陸の古都見物。風雪の舞鶴道から北陸道を走って、前日遅く近江町市場の近くのビジネスホテルに入る。当然夕食は海のものでと、市場のなかの近江町食堂へ。休みの日には行列ができる人気店のようだが、意外に空いていて奥の小上がりでは地元の家…

H1N1到来

歳末に大学生の娘が風邪の症状を呈し始めた。喉と節々の痛み、頭痛と微熱。熱が低いので鼻風邪だろうと市販薬を飲ませていたら、2日目から熱が38度台に跳ね上がった。病院はもう正月休みで、母親が近くの総合病院の救急外来に連れて行く。年末の掃除をしな…

除夜雑想

1年が365日というのは地球の公転に基づくサイクルで、太陽系の他の星々をはじめとする大宇宙にとってはまったく知った話ではないだろう。そのサイクルのどこに始点・終点を設定するかについても、文化・時代によって異なっていたことは周知の事実で、極東の…

応挙の虎

遅い賀状作りで夜なべ。昨年は山の写真を使おうとして、安いレーザープリンターの色の出の悪さにがっくり来て、年に一度の久闊の叙を一部放棄してしまったのだが、今年はいいアテがあった。干支は賀状素材の最も便利なもので、干支がなければこの作業はより…

素白随筆

買ったまま読んでない本が、小さな本箱いっぱい溜まっている。最近めっきり読書量が落ちているのに、何かの折に心に留まった本はとりあえず買うという習慣は変わってないから、購・読のバランスはずっと不均衡で、その結果がこの積ん読状態である。といって…

根雪

よく積もってるなあ。今日の戸倉トンネル東口。以前はブルって眺めるだけの峠の雪景色だったのが、今ではワクワクしながらライブカメラを見てるんだから、雪山のマインドコントロールは強力だ。 見たところ、これはもう根雪といってよさそう。いきなり開幕し…

冬日印象

脊梁山地の北に大雪をもたらしている雪雲もここまでは届かず、低回する雲が遠く近くにわだかまるばかり。真冬の空はよく澄んでいても光と熱が不足していて、まるで宇宙と直接接しているような空虚さだ。夕方、雲端が暖色の光を宿して輝くのがわずかに目を引…

大寒波

シーズン初っぱなの寒波がいきなり第一級の勢力というのは、一体どんな冬になる予兆なんだろうか。といっても、気象というのは一本調子の単純なものではないから、豪雪の当たり年(山好きにとっては)を期待するのはまだ気が早かろう。竜頭蛇尾、ぬか喜びに…

寒波

ここ2・3年はクリスマスや年末まで待たなければならなかった最初の寒波の到来が、今年は少し早い。今週後半からしばらく、日本海側の予報には雪だるまが並んでいる。そろそろ氷ノ山もと久しぶりにのぞいた戸倉トンネルのライブカメラも、午前はまだ黒々と…

鈴鹿崩れ永源寺温泉

計画では千種街道を歩いて杉峠を越え、少し下ったところの御池鉱山跡にテントを張って、盛大に焚火をして遊ぶ予定だった。翌日は雨乞岳に登り、笹の稜線を奥ノ畑峠まで歩いて明るい奥ノ畑谷を下り千種街道に戻るつもりだった。加えて、気分次第でイブネ往復…

近つ飛鳥博物館

面白そうな企画展をやっていたので河南町の近つ飛鳥博物館に立ち寄ってみた。何をイメージしたのだか、角度によってはチェルノブイリの“石棺”を連想させる建物は、例の建築家の常で、入口も動線も分かりづらい。周辺の雑木林には、この辺りではほとんど散っ…

新聞斜陽

『 ――新聞界斜陽の原因は、ネット時代到来のせいでしょうか。 「まったくの後知恵ですが、草創期のヤフーやグーグルに米国の新聞社が記事を無料で与えたのが、経営的には致命的な失敗だったかもしれない。当時、ポスト紙の編集幹部として、私も新聞社のコン…

ヘレボ熱再発

秋が深まり植物が次々に末枯れて、庭が寂しくなってゆくのに反比例して、存在感を現わし始めるのが、ヘレボラスいわゆるクリスマスローズだ。庭で鉢で、古葉を残した株の中央からゆっくり新芽が上がり始めるのを見ると、忘れていたヘレボ熱がやおら復活する…

山家落葉

冷たい雨の一日が過ぎて、今日は山側の屋根も露地も落ち葉だらけ。陽に照り映えていたコナラの黄葉が半分方散って、見上げる裏山はずいぶん寂しくなってしまった。その形見がこの地面を覆い隠さんばかりの枯れ葉。 ほんの二日前、枝にあったときはあんなに明…

PC二題

ここ数日、デスクトップPCのFirefoxから「はてなダイアリー」にアクセスできない状態が続いている。自分のページはおろか、人様のダイアリーにもつながらないのだが、ダイアリー以外のはてなのサービスには普通にアクセスできるから不思議だ。 ならばなぜこ…

丹生山田の秋

ようやくこの辺りの里山も紅葉の盛り。今日は近所の郊外型うどん屋、八間蔵でお昼をとった後、ちょっと山の辺を散歩してみた。紅葉といってもクヌギやコナラの雑木の茶色がほとんどなのだが、陽が当たると暖かく輝いて、里山は一年で一番の華やぎに包まれる…

秋の色

こんなところにも

ウィーン世紀末展

天保山のサントリーミュージアムで開催されている標記の展覧会を見てきた。安治川河口にあるサントリーミュージアムに向う前に、その上流の北浜に碇を降ろし、以前から行ってみたかった東洋陶磁美術館を訪ねる。 中之島のほとんど最上流、大川沿いの静かな美…

親指ノート暗転

親指ノートの液晶が突然真っ黒になった。システムダウンかと思いきや、動作音はしている。よくよく見ると、画面にかすかにデスクトップの残像が見える。ついにきたか、バックライト切れ。1年半前に液晶が起動時に赤くなり始めてから、こうなるのは時間の問…

笑顔測定器

The Five Worst Inventions (Time.com)『米タイム誌は最新号で、今年最高の発明1〜50位と最低の発明五つを掲載した。最低の発明には「ガスマスクとしても使えるブラジャー」などと並び、オムロン(本社・京都)が開発した笑顔をチェックするシステム「ス…