冬日印象


 脊梁山地の北に大雪をもたらしている雪雲もここまでは届かず、低回する雲が遠く近くにわだかまるばかり。真冬の空はよく澄んでいても光と熱が不足していて、まるで宇宙と直接接しているような空虚さだ。夕方、雲端が暖色の光を宿して輝くのがわずかに目を引いたが、それもすぐに闇に沈んで、凍てる夜は星の光だけがことさらに饒舌だ。