2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

NIKON D-40実写画像

デジカメファンの心強いリファレンスページ[Digital Camera Resource Page]に、意中のデジタル一眼、NIKON D-40の実写画像が登録された。さっそく目を皿のようにして眺めているが、う〜ん微妙だなあというのが率直な感想だ。 デジカメの画像というのは等倍…

スヴャトスラフ・リヒテル『平均律クラヴィア曲集』

アマゾンのマーケットプレイスで注文していたCDが届いた。アメリカはマイアミのCAIMANなる業者に注文したもので、発注から20日ほどかかっているが、価格は国内版の半値以下。内外の価格差をある程度埋めることのできる、有り難いシステムだ。パックに貼ら…

『ベニスに死す』

フィガロを飲みつつ、BSで『ベニスに死す』を見る。大学生のころはマーラーのアダージェットに引かれて名画座に見に行ったものだが、今見ると、録音の悪いアダージェットが少々くどく使われている。しかし、映画そのものは耽美と頽廃の極致。白塗りの道化…

フィガロ

今夜の酒はフィガロ。近所のスーパーにたまに入荷する、お手頃で飲みやすい、唯一買って帰る赤ワイン。ネットショップでは高級ワインに匹敵するというような変な宣伝がされているみたいだが、残念ながらそれほどの代物ではない。以前、調子に乗って数本買っ…

多田繁次

「林道が高度を上げ、北面へ回ると坂の谷の源流地帯が目前に展開する。渓流は、ところどころ白布を垂れたように懸崖に砕け、まるで白竜が天へ馳けのぼるかのよう。かつてスキーで登った杉林も正面に(中略)稜線めがけてはい上がっている。その稜線――木無平…

芦屋市立美術博物館

芦屋の美術博物館で「モダニズム周辺」と銘打った古書市が開かれているので、のぞきに行ってみる。国道43号線から芦屋川に沿って走り、住宅街に少し入ったところ。1階のホールが古書市の会場で、少なからぬ人が本を漁っている。地元関連の本が少し多いかな…

デジタル一眼が欲しい

NIKON D-40 デジカメはコンパクトで十分。ずっとそう思っていたのに、つい数日前から標記の欲望が頭をもたげてきて、どうしたものかと考えている。これまでのカメラの使い方を考えると、最も撮影機会の多いのは登山写真だが、そこでのコンパクトデジカメの優…

遅れてきた花たち

こぼれ種から育って、今頃開花を迎えているリナリアと三尺バーベナ。リナリアは数年前にChiltern Seedsで買ったもの、バーベナはいつからか庭にあるものだが、どちらも株自体の寿命は長くないものの、繁殖力は旺盛で、いつの間にか苗が色んなところにできて…

シードル

今夜の食後酒は明石のカルフールで買ってきた林檎の酒、シードル。林檎の甘い香りがして、発泡性なので冷やして飲むとけっこういける。カルフールはパスタとかソース類とか、チーズとか、ふだん目にしないヨーロッパの食品が多くて、それを見て回るだけでも…

朝の富士

今朝の富士山・三ツ峠ライブカメラ、リアルタイムでは見てないのだけれど、まれに見る美しさだったようだ。残った画像を見ると、快晴ではないものの、麓の雲海や薄いベールのような朝靄、バックの筋雲の動きが画面に刻々に変化をつけ、不動の冠雪の富士を際…

今昔文字鏡

紀伊國屋書店から「今昔文字鏡」のバージョンアップのお知らせが届いている。江戸や明治のフリーテキストを入力するのに重宝している漢字検索ソフトだ。2002年以来2度目のバージョンアップで、収めている漢字が10万字から15万字に増えたという。 ユニコード…

こうもり谷

たまたま通りかかって対岸から見た、地元の名勝「こうもり谷」の紅葉。車を10分も走らせればこんな景色が見られるのだから、考えたらすごいところに住んでるものだ。大正9年刊の『山田村郷土誌』を見ると、次のように誇らしげに紹介されている。「衝原村の…

筑前煮

雨の日は多少時間のかかる煮物にぴったり、というわけで、今日の台所遊びは筑前煮。色んな材料の取り合わせがうれしい田舎料理だ。蓮根・筍・牛蒡・人参・蒟蒻と鶏肉を適当な大きさに刻む。蓮根をスコンスコンと刻むのはいと楽し。鍋にサラダ油を垂らし、鶏…

イオン神戸北

さほど遠くない場所に大きなショッピングセンターがオープンというので、うれしがってドライブがてら出かけてみる。十分予想できたことだが、車も人も多くて、万事に時間がかかる。3階吹き抜けの大きな細長い空間の両側に通路と専門店が並び、その両端がス…

ふるさとの山

『日本百名山』の白山の項に曰く。「日本人は大ていふるさとの山を持っている。山の大小遠近はあっても、ふるさとの守護神のような山を持っている。そしてその山を眺めながら育ち、成人してふるさとを離れても、その山の姿は心に残っている。どんなに世相が…

泉 鏡花

「洲崎の廓の遠灯は、大空に幽に消えたが、兩側の町家の屋根は、横縦を通る川筋の松の梢を、ほんのりと宿しつゝ、甍の霜に色冷たく、星が針のやうに晃然とする…… 月夜には浮かれ烏よ、此の凄じい星の光には、塒を射られてばた/\と溢れても落ちよう……鎖した…

鉄斎美術館

ついでがあって、春以来ひさびさに清荒神の鉄斎美術館に立ち寄る。秋の名作展を開催中で、いい絵がいくつも展示されていた。最晩年の水墨画の傑作「水墨清趣図」にも再会。このところ岡山で見た玉堂の一途な絵の印象にとらわれていただけに、鐵齋の画技・題…

『プライドと偏見』

最近珍しく感情移入して見たDVD。原作は1813年に出版されたイギリスの女流作家ジェイン・オースティンの古典的恋愛小説。ユニークな個性をもった魅力的な男女が、互いに反発しながら次第に惹かれていき、ハッピーエンドにいたる典型的なストーリーだが、…

最後の柿

鳥のためにと残しておいた柿が、枝で実にいい色になっていたので、もぎ取って信楽の手鉢にあわせてみる。深くて、あたたかくて、穏やかな、秋という季節を凝縮したような、最後の柿の赤だ。

作 恵乃智 源之酒

雪の便りを聞くようになると、日本酒を選ぶことが多くなる。春までは一升瓶が寒夜の友だ。今夜の酒は、サノヤ酒店から届いたばかりの作。ザクと読む三重の酒だ。この源之酒というバージョンは、火入れがされているのに、新酒の風味があるという不思議な酒。…

尾瀬にも雪がきた。尾瀬沼ライブカメラはすっかり雪景色だ。昨日まで燧ヶ岳の山頂にさえ雪はなかったのに、強力な寒波が一気に季節を進めてしまった。深い代赭色をしていた沼尻の湿原も、美しい黄紅葉の山に向かって遙かに続いていた龍宮の十字路の先の長沢…

草黄葉

一晩冷たい雨が激しく降り注いで、庭からまた少し緑のいろどりが後退した。けなげに咲き続ける宿根サルビアの赤や青、バラのピンクが少しずつ寂しくなっていくのと入れ換わりに、黄や茶色が増えていく。この季節に短い盛りを迎える、うちでは雑草扱いの小菊…

玉堂断片2

→拡大 「深林絶壁図」は、11/2に触れた「山雨染衣図」とは対照的な絵だ。ここには心地よさなどかけらもない。岡山展でこの絵の前に立ったとき、“グロテスク”という言葉が思わず頭に浮かんだ。画面中央あたりの樹木の描かれ方がただごとではない。重なりあっ…

嘱目2題

▽仕事で大阪の某大学へ。空き時間がたっぷりあって、一人の建築家が20年近くかけて作り上げたというキャンパスを見て回る。特に最後の建築は評価が高く、幾つかの賞を得ているらしい。控えめな入口を入ると、吹き抜けの大きな空間があり、一番奥にパイプオル…

川崎精雄

「…重い荷に悩みながらも、尾瀬ヶ原への滑降は嬉しかった。常緑樹林帯から落葉樹林帯へ下った所で、一行の足並を揃えるため立ち止まった。その時、戸倉から連れた人夫が、『寒いから焚火でもしてあたりましょう』 と言って、腰の鉈を取り出し、傍にあった一…

木枯らし句選

午前中は今年初めての木枯らしが吹きすさび、家のなかにも寒気が侵入してストーブを出したくなったほど。午後はすっきり晴れたが、三ツ峠ライブカメラで見る富士は、本格的な冬の装いだ。6〜7合目まで白くなり雪煙が流れているから、上は風がきつそう。か…

山用MP3プレーヤーの決定版?

鈴鹿に行っている間に、楽しみにしていたものが届いていた。第2世代iPod shuffle。小さな小さなデジタルオーディオプレーヤーだ。CDから取り込んだり、ダウンロード購入した音楽データは、普段はパソコンにつないだ卓上スピーカーで楽しんでいるけれど、…

鈴鹿秋色

週末はK氏と久々に鈴鹿へテント山行。旧永源寺町の甲津畑から千草街道を歩き、杉峠を少し下った御池鉱山跡で幕営。さっそく焚き火をこしらえて、火の世話をしつつカップ酒などきこしめし、夜気が背中に迫るまでうだ話をして過ごす。この鉱山跡は広いステー…

玉堂断片

玉堂の絵には人をうっとりさせる部分がほとんどない。たとえば、峰は靉靆たる霞の上にわずかに姿を見せ、麓の村落や林も眠るように霞のなかに見え隠れする。そんな我々の記憶に染みついている心落ち着く山水が描かれることはほとんどない。ただし、わずかな…

林 達夫、カレル・チャペック

「冬の夜のたのしみの一つは、ストーヴを前に、種苗商から次々と送りつけてくる園芸案内を見ながら、来るべき春の園芸計画をあれこれと思いめぐらすことである。一九五六年の春、ふとしたことから、わたくしは久しくやめていた植物の蒐集や栽培を再びやりは…