後藤松陰、地引き網を歌う

觀打魚 一舟沈網擁浦淑 一舟 網を沈めて浦溆*1を擁し 百夫牽綱轉轆轤 百夫 綱を牽いて轆轤を転ず 綱盡網出牽悆急 綱尽き網出でて 牽悆*2急に 斜陽明射萬跳魚 斜陽明射す 万跳魚 大鱗收来方潑剌 大鱗収まり来て まさに潑剌 散鬻不論兩與銖 散鬻*3 論ぜず両と…

頼山陽、鮎漁を歌う

瀧生、我が社を要して、嵐峽、香魚を捕らふ 縄聯木片截溪灣 縄 木片を聯ねて渓湾をたち 一舟牽之勢彎環 一舟これを牽いて勢ひ彎環*1 舟行漸疾繩漸曲 舟行は漸く疾く 縄は漸く曲がり 驅得萬鱗聚岸間 万鱗を駆り得て岸間に聚む 衆漁擲網爭神速 衆漁*2 網を擲っ…

ある知人へのメール

電話をいただいていたようで、済みません。 忘年会のメールはちゃんと届いております。 例によって大阪までいくのが億劫なのでスルーしておりました。 悪しからずお察しください(汗)。ところでついに、 秘密法案が衆院を通過、とか。 みんなこぞって反対し…

白山

半年ぶりに山に登った。その山が真夏の白山日帰りというのは、今の自分には少々無謀だったようで、登りは山頂を前に足が攣りまくり、下りは熱中症の一症状なのか何なのか、途中から眼鏡越しの視野がぼやけるという変な状態に陥って、ただでさえ急な観光新道…

庭のシモバシラの霜柱

かなり以前にどこかのサービスエリアにあったのを買って帰って、ずっと庭の椿の下に植えっぱなしのシモバシラ。清楚な花穂から純白の小花がこぼれる、秋が楽しみな野草の一つだが、名前の由来になった枯れ茎に生じるという真冬の霜柱には、これまで一度もお…

山田翠雨墓

ちょうど五条坂陶器市の最終日だったから2週間以上前になるが、ようやく地元の漢詩人、山田翠雨翁の墓へ参ることができた。墓所の長楽寺は京都円山公園の南側に沿う道のどん詰まり。日が傾いてなお熱気が淀む京都の街を、拝観時間を気にしながら東山に向か…

氷ノ山

すでに一週間前のことになりますが、今年2度目の横行渓谷からの氷ノ山へ。たぶん今年初めての快晴の空の下、前回と同じ大屋川源流コースで山頂をめざしました。ところが山頂に着く頃には北から暗雲が押し寄せ、一気に陰鬱な空模様に変わってしまいました。…

氷ノ山

2005年に匹敵する豪雪の年になるのではないかと思われた1・2月の寒さと降雪の後、3月は一転して温かく雨勝ちな気候となってしまいました。ぐずついた週末が多く、雑事も加わって、どんどん融けていくだろう雪を心配しながら、指をくわえて山を思う日々が…

戸倉峠から三ノ丸、途中まで

日曜は今季初めて山スキーを履いて、この時期定番の県境尾根ルートへ。入山口の戸倉トンネル東口には背丈をはるかに越す雪の壁ができています。林道も目覚ましい積雪深で、旧隧道から古い峠道に入る所では、トンネルの間際まで進んで少しだけ登って峠道に入…

明神平

28日は1年ぶりに明神平へ。今年の登山道の雪は深く、途中から早々とスノーシューをつけてガスと寒風の平に登り上げました。そのまま前山の大斜面をめざすと、霧氷を全身にまとったブナが次々にガスの中から立ち現われて、夢幻の世界をさまよっているような…

赤谷山

新年8日は4月に足を痛めて以来、初めての本格登山に。戸倉峠からはノートレースのきついスノーシューラッセルが続きましたが、気がかりだった体力は怪我前と変わらない感じで大いに安心しました。十数年間山に登り続けてきた体は、これくらいのブランクで…

奈良の裏道

その一 南大門と若草山を望む道 県庁横の駐車場を北側から出て、すぐに交差点を渡った所から、土塀に囲まれたいい道が伸びています。正面には明るい若草山をバックに東大寺南大門の真横から見た見慣れない姿。人通りも車も少ない、お勧めの裏参道です。その…

パラダイス

実家への途次、富田林のみかん園に寄ると、そこはパラダイスと呼びたくなる面白い場所でした。といっても、そのままの意味でのパラダイスではなく、ウィキペディアの定義の最後にもある『「探偵!ナイトスクープ」で紹介された(されるような)集客のなさそう…

立杭

今が盛りの雑木の黄葉を楽しみながら、丹波立杭に出掛けてみました。この辺りの田園を彩るこなら・くぬぎの黄葉は、かえで・もみじの華やかさはありませんが、温かく豊穣な感じがして好きです。それに、茶色といっても黄色に近いものから赤っぽいものまで、…

山を眺めに

4月に山で足を痛めて以来、ずっと登山から遠ざかっています。そろそろと思っているうちに高山には雪が来て、もう近づける山ではなくなってしまいました。せめて近くから輝く峰々を眺めて、今年の空白を埋めようと伊那谷へ出かけました。 まずは伊那谷と南ア…

狭山池博物館

実家への途次、ひさしぶりに狭山池博物館に立ち寄ってみました。堤防の直ぐ下にあって、上から見ると二三の四角い箱が建っているだけなのですが、迷路みたいなエントランスを進むと、エレベーターで一気に地下(というか、本来の堤防下のレベル?)まで下ろ…

山田翠雨・山田淳子追記

江戸末の地元詩人、山田翠雨に関して、架蔵の大正10年刊『武庫郡誌』に若干の記事があるのに気づいたので、以下に録しておく。またその夫人、山田淳子についても昭和14年発行の大阪『東区史』に小伝が見つかったので、併せて書き写しておく。万一、両先人の…

弥山・八経ヶ岳

梅雨入り間近の好天の6月第一日曜は、3年続けて弥山川の岩魚詣でに。今回は趣向を変えて行者還トンネル東口から登ってみる。いつも車でいっぱいの西口に比べて、遠回りになるせいで駐車しているのは他に2台だけと不人気のコース。しばらく樹林をトラバー…

雨季前

梅雨に入る直前の6月の爽やかさは特別なものだ。よく晴れた日が続いて、日射しはもう十分強いが、大陸由来の高気圧はからりと乾き、濃密になった緑を抜けてくる風は、5月の金の風よりももっと親密な心地良さ。 春の花が終り夏の花が咲きだす前の、宿根草の…

和歌浦展図録

地方の美術館や博物館に行くと、ローカルな作者や地誌を取り上げた過去の展覧会の図録に出会うことがあり、売店を覗くのを楽しみにしている。先日の和歌山市立博物館でも図録のバックナンバーがなかなか充実していて、桑山玉洲展のものと標記のものをピック…

和歌山散歩

先日、身近な名所散策で訪ねた大津がなかなか面白かったので、今度は和歌山にショートトリップ。曲がりくねった阪和道で越えていく府県境の和泉山脈はなかなか深く、かつては苦労して一山越えてたどり着く南海の別天地だったことを感じさせる。 まず和歌山市…

ハニーサックル

ラティスに絡ませたハニーサックルのテルマニアーナがオレンジの花を揺らしている。満開のと言いたいけれど、運悪く先日の大荒れの天気にずいぶん花を落としてしまい、写真を残すには少々寂しい状態だが、本当に満開の時はうるさいほどになるので、かえって…

日韓APS-Cミラーレス機対決

獲らぬ狸のデジカメ談義。 最近出現したデジカメの新しい動きに、APS-Cレンズ交換式ミラーレス機というのがある。一眼レフのレフレックスとは反射板のことで、レンズに入る光を鏡で反射してファインダーに導く仕組みをもつカメラが一眼レフだ。そして、この…

駒ノ尾山スズノコ狩り

土曜は嫁さんを連れて今が旬のネマガリダケの竹の子狩りに。氷ノ山はライバルが多いし、奥津の自然公園は天気が下り坂の日には少し遠い。久々に粟倉の駒ノ尾山に行ってみることにする。 中国道佐用インターから下道のつもりだったが、いつの間にか鳥取道とい…

江戸の落書き

石山寺の本堂を見物していて、扉や壁にたくさんの落書きがあるのに気づいた。修学旅行生の引っかき傷ならば眉をひそめなければならないところだが、そうではなく溝がすっかり丸くなったずいぶん古そうな署名だ。明らかに江戸時代と覚しいものもある。たとえ…

大津散歩

行楽日和の日曜は、そういえばまだ行ったことがなかったなと、近江の二古刹を訪ねることにする。 京都に向う渋滞を京滋バイパスで避けて石山で下りると、幻住庵の案内が目に入り、思わずそちらへハンドルを切る。道しるべに従っていくと、住宅地の外れの駐車…

カメラ座布団

山に一眼レフカメラを伴う時は、いつも裸で肩に掛けて歩いている。ストラップをザックの胸ベルトの下に通しておけば落ちる心配はないから、切り立った岩を攀じったりする時以外は、ずっとこの状態で歩いている。いいシーンがあればカメラを手に取ってすぐに…

五月の庭

咲き揃い始めた花とともにきれいになった砂利道を記念撮影。 背の高いのがシャクヤクとジャーマンアイリス、低いのがラベンダーとゲラニウム・マクロリズム。奥にナニワイバラの生垣。これから7月にかけてがこの庭の短い盛期だ。まだ種類が少ないが、これか…

乗鞍岳山行アルバム

位ヶ原にテントを張る(拡大) 雪原の夜明け 朝の槍穂 淡く染まる乗鞍 雪原に浮かぶ中ア 剣ヶ峰と権現池火口 稜線の山スキーヤーたち 続々と山頂へ 乗鞍北半の峰々越しに北アルプスの連稜

乗鞍岳

土日はK氏を誘って乗鞍遠征。去年4月に山スキーで訪れて、へっぴり腰スキーでボロボロになりつつも、大雪原のスケールが印象に残った位ヶ原にテントを張って、日本離れした風景を楽しむことにする。 この時期はすでに閉鎖したスキー場上部の三本滝まで車で…