戸倉林道


 国道29号戸倉トンネル東口の、雪がたんまり積もったライブカメラを見ているうちに、矢も楯もたまらなくなって日曜早朝から出かけた。12月中旬から急ピッチで積雪があり、県境尾根の笹藪ももう埋もれているだろうが、まだ雪が締まっていないからラッセル必至で、とても三ノ丸までは望めない。今年の雪の様子見を兼ねて、行けるところまで行ってみることにする。
 トンネル東口に着くと、道の両側にはもう背丈を越える雪の壁ができている。それをスキーで切り崩して這い上がり歩き始めるが、やはりよく沈む。去年は木材の搬出があって、旧道は隧道の手前まで除雪されていたのだが、今年はそんな気配はなく、道は深い雪の下で出だしから汗を絞られる。
 雪の締まった時より30分ほど余分にかかって戸倉峠を越えるが、この辺りはまだ調子がよかった。いつも県境尾根への登路にしている浅い谷をめざして黙々と林道を進んでいると、沈み込む雪に足を取られながら進むダメージがじわじわ効いてくる。ようやくたどり着いた谷は案の定すっかり雪に埋もれて、快適な登路になっているが、もう元気がないし時間もない。
 谷を登り切って県境尾根に乗ったところで1時になり、今日はここまで。午前の雪は止んだが、ガスがかかったり、日が差したり、安定しない空模様を眺めながら湯を沸かして昼食とした。帰路も難渋は続く。谷の下りは雪がモナカ気味でスキーを開いてズリズリ。林道はトレースがあるのでもうラッセルの苦労はないが、傾斜がゆるいところにこの雪ではほとんど滑らず、大半を歩いて下る。峠からはスノーシューのトレースがあり、デコボコに乗って下る。
 1月2月の山は雪の状態によってこなせる距離が大きく違ってくる。まだまだ雪が降りそうだし、しばらくは三ノ丸が遠そう。上部のブナ林まで達するには、テント持参で臨むしかなさそうだ。