2008-01-01から1年間の記事一覧

秋草烈日

台風一過、久しぶりに直射日光がカッと降る日。そういえば「あかあかと日はつれなくも」の、傾きつつもまだ熱を帯びた日射しを、この秋はほとんど感じることなく来ている。 カメラを手に庭に出ると、夏の炎暑でくたびれ果てた花壇でかろうじて目を引くのは、…

地獄谷温泉

3泊目は懐かしい地獄谷温泉に宿をとった。前回泊まったのは、今は社会人になった娘がベビーカーに乗っていた頃だから20年以上前。秘湯ブームの走りで、藤嶽彰英の本を読んで行ってみる気になった。その後、日本の温泉地は大いに様変わりしたが、当時極めつ…

吹割の滝

たまたま出発の何日か前にテレビで紹介されていた片品川の名所。まさにルート上だったので立ち寄ってみた。奥日光から金精峠を越えて120号を下ったところ。実は一昨年の秋に奥白根山に登った帰りに通った道なのだが、その時はとくに気に留めなかった。まあ、…

岩宿遺跡

考古学少年だった頃からの憧れの地、岩宿をついに訪れることができた。 甲府盆地から雁坂峠を長いトンネルで越えると秩父。渓谷を成す荒川沿いに下ると、関西人にはとりとめなく広い関東平野に出る。赤城山が近くなり、ようやく風景にめりはりが出てホッとし…

富士山遠近

まずは富士山に登った。といっても車で。富士山中腹に至る自動車道は、南側の富士山スカイライン、東側のふじあざみ道路、北側の富士スバルラインと3本あるが須走からのふじあざみ道路を選択。自衛隊演習地を抜ける松並木の直線コースからジグザグの登山コ…

3州周遊

娘に留守番をたのんで、嫁さんと甲上信の3州を巡ってきた。3泊4日、走行距離1630キロの久々の本格旅行。不順な天気が続く今年の晩夏・初秋のなかで、奇跡的に続いた4日間の晴天にみごとにはまった旅程は、幸運を超えてありがたさ限りなし。かけ足ながら…

FMV-KB232

新旧親指KB 発売と同時にアクセスさんに注文していた新型親指シフトキーボードが到着。富士通のFMVシリーズ以外は動作保証しないということで少々不安だったが、つないだらあっさり動いた。事前にIMEのJapanist2003のアップデートはしたが、キーボードドライ…

D700 vs D90

日々進化している分野をウォッチするのは面白い。それが趣味と重なっていれば、なおさらワクワクさせられる。自分の場合はデジタルカメラ、とくにデジタル一眼がそれ。デジタル一眼は今、完成形に向けて6合目あたりだろうか。まだまだあっと驚く展開が期待…

火星その後

あの火星探査車はどうなったのだろうと、久しぶりにNASAのサイトをのぞいてみた。最近は北極に着陸して土壌分析で水を見つけたフェニックスの方が注目されてるが、4年も前から火星の上をうろうろしている2台の探査車もまだ頑張っている。1年以上前に紹介…

晩夏考

ようやく夏らしい日が戻ったと思ったら、今日はまたすっきりしない空模様。週間予報を見てもしばらくこんな空が続くようで、今年の夏はどうやら腰砕けのまま退場することになりそうだ(どこやらの2世総理みたいに?)。この時節らしい夏を送る気分も、今年…

コンピュー太

マイクロソフトが外来語の末尾の音引きを復活させることを決めたという。って、何のこと? と思われる向きも多いかもしれないが、これまではたとえばadapterをアダプタ、advisorをアドバイザ、registrarをレジストラと表記していたのを、アダプター・アドバ…

敗夏落莫

今日もまた各地で豪雨。去年に続く猛暑のパターンで来た夏が、盆過ぎに一気に崩れて、不順な天候が続く。どっちみちすぐにまたうだる日々が、そう思い続けているうちに、気がつけば8月が終ろうとしている。あのふてぶてしい夏はどこへ行ってしまったのだろ…

仙人草

Clematis terniflora ジャングルと化した庭でセンニンソウが咲いている。まだ丈低いハナミズキにまつわって、けぶるように咲く純白の花叢がさわやかだ。といっても、これもまぎれもない雑草。昔、クレマチスに凝っていた頃、草姿だけ見てもしや自生のカザグ…

深田久弥・硫黄岳

『四十年前、私が初めて登った時は、八ヶ岳はまだ静かな山であった。赤岳鉱泉と本沢温泉をのければ、山には小屋など一つもなかった。五月中旬であったが登山者には一人も出会わなかった。もちろん山麓のバスもなかった。 建って二、三年目の赤岳鉱泉に泊まり…

茱萸酒

八ヶ岳の登山口、桜平への林道にグミがたくさん実っていたので、少々頂戴して帰ってグミ酒にしてみた。夏グミだろうか、小粒だがけっこう甘い実(もちろん渋みもある)約300gに対し、ホワイトリカー900ml、氷砂糖100g、これを100均の小さめの広口瓶に詰め…

稲子岳二重山稜

先日の八ヶ岳登山。タイミングよく晴れ渡った東天狗岳からの眺めで、目を引いたものの一つがこの不思議な地形。中山に続く山上台地の東端が一段下に落ちてテーブル状の台地になっている。地形図で見るとこんな感じ。 調べてみるとこれは二重山稜地形の一種の…

八ヶ岳

木曜・金曜はK氏とテントをかついで八ヶ岳へ。たぶんこの夏唯一の幕営山行。 でこぼこの林道を桜平まで車で入ると、後はわずか1時間歩いただけで山懐のオーレン小屋に至るというお得なルートを選択。この小屋には個室や風呂まであり、トイレは清潔、道中も…

鏑木清方・夏

『夏になるとどういふものか遠い過去になつた昔の東京生活が、現にかうして生きてゐる世界よりもずつと近く思はれ、覗き眼鏡の寫眞のやうに見えてくる。 年寄は昨今のことよりも、自分の若い時分見たりきいたりしたことのはうが、よく憶えてゐるものだからか…

束の間の秋

盆の終わりとともに突然過ごしやすい日が訪れた。今日ばかりは短パンの足がスースーして頼りない。天気図を見ると、南海の空気に代わって大陸の高気圧が列島の上に張り出している。一つではまだ頼りない秋の気団が、二つ三つ固まって日本海に押し出して、た…

新型親指シフトキーボード

数日前に富士通専門店アクセスさんから届いた新しい親指シフトキーボードKB232の情報が気になっている。親指ノートと同じく、親指キーと変換・無変換キーを共用にしたすっきりしたキー配置と、柔らかいキータッチを実現したというメカニズムは、親指シフトキ…

三千盛れいじょう

到来物を飲んだら意外に美味かった美濃の酒、三千盛の夏期限定純米大吟醸。夏はまったりと味覚に寄り添ってくる日本酒はあまり飲む気がしないのだが、これは例外的に夏向きの日本酒。ほんのりとした甘みと香りに、舌をかすかに刺す炭酸の刺激が加わり、ラム…

曝書

北島金メダルの興奮冷めやらぬなか、茣蓙をデッキに敷いて和本の虫干し。去夏、菓子箱に仕舞っていた本がみごとに虫食いになっていたのにショックを受けてから、和本はずっとその辺りに放り出した状態にしていたのだが、今年は新たな被害はない。中途半端な…

HDR合成

最近デジタル写真の世界でHDR合成というのが流行りらしい。すなわちハイ・ダイナミックレンジ合成。ダイナミックレンジというのは、暗い部分から明るい部分まで、カメラが写し取れる幅のこと。カメラは、とくにデジタルカメラは人間の目に比べてダイナミック…

富岡鐵齋旧居

引き続きストリートビュー遊び。 以前から見に行ってみたかった鐵齋翁の居宅跡を、ずぼらにもマウス操作だけで訪ねてみた。といっても旧居は公開されているわけではないので、実地でもこのビューと同じく道からのぞくしかないのである。 大きな地図で見る 場…

ネット町歩き

GoogleがGoogleマップ上で「ストリートビュー」というのを始めたというのでさっそく遊んでみた。道を360度撮影できるカメラを積んだ車でひたすら走って、その画像を地図に重ねて提供しているという、聞くからにご苦労様なサービス。しかしGoogleの蓄えてるデ…

御嶽余録

▲先達の朗々とした「六根清浄」に、女性がきれいな声で合わせてた ▲登山道はなぜか石室山荘の中を通過。バテてたので畳にひっくり返りたかった ▲雷鳥のヒナ。2羽いる ▲たくさん見かけたカラマツ草。ミヤマカラマツかと思いきや、ここを見たらモミジカラマツ…

御嶽山

土曜日はこの夏最初の夏山登山。去年初めて登って面白かった木曽御嶽に、今度は長野県側から登った。前夜、標高1820mの中の湯駐車場まで入って車中泊。この黒沢口コースは最も古くから開かれた登拝道だけに、今は車道になっている部分にもたくさん石碑や石…

翠雨軒詩話

ようやく手に入れた地元旧山田村が生んだ幕末明治の漢詩人山田翠雨の版本。本命はもちろん漢詩集の「丹生樵歌」なのだが、これはたまに出てもなぜかバカ高い値がついていて、手が出ない。代わりにというわけではないが、翠雨のもう一つの出版物である「翠雨…

雷二題

昨日のこれでもかという雷雨の印象を引きずって雷噺。 稲妻 雷光を稲妻や稲光という。なぜ稲かというと、どうやら弥生以来の古い稲作信仰が関わっているらしい。稲妻の語源を岩波の古語辞典にあたってみると、《稲の夫(つま)の意。→いなつるび》とあり、「…

雷雨

2時頃から夕方まで、強烈な雷雨に見舞われた。直前まではかんかん照りの空で、今日もまたうだるような夏日と覚悟していたのだが、気がつけば一天俄かにかき曇り、今にも一雨きそうな不穏な雲行き。ちょうど嫁さんが留守の時だったので、あわてて下におりて…