2008-01-01から1年間の記事一覧

松茸

2年ぶりのマツタケ。スーパーの安物が珍しくよかったので買ってきたという。たしかに、ころっと丸い傘の可愛いのが数本。それなりの色と匂いだ。これが、国内産どころか東アジア産でさえなく、トルコ生まれだというから驚く。 日本と韓国と中国の一部以外で…

エドワード・サイデンスティッカー『東京 下町山の手』

東京見物の復習本。 副題に「1867―1923」とある。1867はもちろん御一新、ならば1923は? それは関東大震災の年。この年を限りに江戸文化の名残をとどめていた下町は消えてしまった。そのことの確認からこの本は書き出される。最初から挽歌の色合いは濃い。荷…

蒸し蕎麦・茹で蕎麦

昨日の茶山詩で疑問点一つ。 「一籃の銀縷 甑を出でて香ばし」 甑は蒸し器だよな。ここは蕎麦の茹で上がった様子と考えたけれど、それなら甑ではなく釜を出でてとなるはず。もしかしたら当時の蕎麦は蒸したのだろうかと調べてみたら、ウィキペディアにこんな…

秋詩二篇

○高屋途中 山雲 半ば駁して斜陽を漏らす 堠樹蕭條たり 十月の霜 野店 人を畱めて蕎麺を勸む 一籃の銀縷 甑を出でて香ばし 菅茶山の黄葉夕陽村舎詩後編巻之二から。神辺から広島の東に位置する高屋町に向かう途中の晩秋の山陽道の情景だろう。山をおおう雲は…

身辺秋色

○淡河の道の駅に渋柿があったので、買ってきて皮を剥いて2階の軒下に吊るした。一晩でもう色がきれいに濃くなっている。庭にも柿はあるけれどこちらは甘柿。今年もたくさん取れたが、だれも食べなくていつも持て余す。 ○数年前に植えた花梨がようやく実をつ…

フェルコ6番

終日、庭の仕舞い支度。菊と一部のサルビアを除いて花は終っているので、枯れ穂を刈り込んで整理する。フェンスに絡みついた雑草・半雑草との格闘も。今日は移植ゴテもフォークも持たず、ひたすら鋏を振り回す。こんな時頼りになるのが数年使っているスイス…

両国・浅草

土砂降りのなか上野公園3館を梯子した翌日は、お上りさん定番の両国の江戸東京博物館と浅草を見物した。 両国では、折しもボストン美術館から里帰りした浮世絵展を開催している。天気が回復した週末とあって、フェルメール展に負けない混雑。絵の前に張りつ…

根雪

今週に入って肌寒い日が続くと思ったら、山はすでに冬になっていた。ライブカメラをひと巡りすると、中部の山岳は白く輝く頂稜とまだ黄葉を残した山麓との対比があざやかだ。一月前に仙丈や白山で楽しんだ草紅葉ももう根雪の下。山の季節が移るスピードは、…

Lumix DMC-G1 その後

Digital Camera Resource PageにようやくDMC-G1のフォトギャラリーが出た。これを見る限りでは解像感は予想以上。フォーサーズでは評価の高いオリンパスの一眼レフの上に行ってるんじゃないだろうか。ただし、色は全体に地味め。とくに葉っぱの色が、全体に…

浜町・中洲散歩

東京町歩きの達人、川本三郎氏が定宿にしているという人形町の小さなホテルに宿をとったので、翌朝は氏にならって大川あたりを散歩してみた。 浜町公園を抜けるとコンクリートで固められた大川。堤の上には巨大な高速道路がかぶさっている。都会の川はいずこ…

大琳派展ほか

ちょっとひとっ走りというには遠すぎるが、上野公園の3館に注目の美術展が集中した折から、思い切って東下りしてみることにした。日帰りも十分可能だが、一泊して翌日は江戸見物を楽しむことにする。 N700系の窮屈で座り心地の悪いシートに3時間耐えて着い…

LUMIX DMC-G1

最近物欲を刺激されて悩ましいのが標記の新型デジカメ。何がいいかというと、とにかく小さい。今使っているD40もニコンでは最小だが、大ざっぱに体積を計算してみると、DMC-G1のかさはその6割しかない。これは山カメラとしてはこの上ない資質だ。 それでい…

ハンマースホイ展カタログ

国立西洋美術館で開催中の「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展」のカタログを入手。未知の画家なのだが、展覧会の案内サイトをのぞいているうちに興味をもち、通販を申し込んだ。というのも、東京のみで関西には巡回しないから。この秋は国立博物館の「大琳派…

大阪寺町散歩

佐伯祐三を見に天王寺に出かけたついでに、下寺町を小一時間ほど散策してみた。大阪の古い行楽地の名残がわずかに残る地域。大江神社の石段下に駐車して、将来直下型地震の震源になるだろうと考えるとちょっと剣呑な上町断層の崖を由緒ある坂道で上り下りし…

佐伯祐三と鐵齋・加藤周一

昨日の佐伯祐三と鐵齋の対比はほとんど加藤周一の受け売りだったりする。というか、佐伯祐三の絵の本場に匹敵する質の高さを目の当たりにしながら、明治以降の日本の芸術的創造力の動向に対する加藤周一の卓抜・明快な見取り図を思い浮かべることで、その天…

佐伯祐三展

かたじけなくもタダ券をめぐまれて、大阪市立美術館の「佐伯祐三展」を見てきた。いつぞやの蕪村展以来、久しぶりにうろつく天王寺。高校の頃、よく旭屋書店にかよった阿倍野筋沿いの商店街では、広大な更地が出現して再開発が進行中。公園内の通路からは喧…

満月

今宵は満月、という天気予報のコメントに促されてデッキに出てみると、ずいぶん高いところで輝いている。中秋の名月に一月遅れの月は、ススキと月見団子を飾って部屋から眺めるにはもう高く登り過ぎている。これから冬に向かって月はますます中天に近づき、…

三ノ峰

連休後半の日月は絶好の登山日和。新しいカメラの試写に紅葉登山を、というK氏のリクエストに応えて、まだしも人の少なそうな白山連峰の三ノ峰に登る。12日は越前大野でうまい蕎麦を食ってから、打波谷を奥まで入り、小池公園でキャンプ。翌朝、テントを撤…

大暴落

一時喧しかったサブプライム問題が少し静かになったと思ったら、地下で着々圧力を高めていたマグマが一気に噴出したようにリーマンショック、そしてアメリカ金融界の再編。もちろん世界の市場は強く反応したわけだが、米政府の金融支援策の発表が早かったの…

スウィーニー・トッド

娘が借りてきたので何となく見る。 なんじゃ、こりゃー。 スタイルとしてはミュージカル。ミュージカルらしい軽妙さもある。しかし内容としては紛れもないスプラッター映画。主人公も含めてたくさんの首が掻っ切られて、血しぶきが飛びまくる。副主人公は肉…

ひょう

今日、奈良は宇陀市在住の人から聞いたところでは、先月の21日、大きな雹が降ったのだそうだ。雲行きが急に怪しくなって稲刈りの後片付けを急いでいた4時過ぎ、雷が轟いて突風と大粒の雨に見舞われたと思う間もなく、バンバンと音をたてて雹が降り始めたの…

白山余録

▲以前から気になっていた登山道でちょくちょく見かける不思議な模様の石。どうやら貝の化石だったようだ。以前に紹介したオーソコーツァイトと同じ手取層群の石だから、恐竜時代の貝殻。こんなものを踏みながら登るとは何たる贅沢。できれば頂いて帰りたいと…

白山錦秋

秋晴れの土曜は白山に登った。今年は初夏の白山登山はブヨをおそれてパス。代わりに去年良かった秋の白山を楽しむことにする。前夜市ノ瀬で車中泊して、バスで別当出合に入り山頂を往復。観光新道を登り、トンビ岩コースで南竜を経て、砂防新道を下った。 山…

私的登山靴史

暑からず寒からず、気温も湿度も実にころあいの昼時。飯の後、思いついて長く手入れしてない登山靴を磨く。汚れをざっと落としてから防水ワックスを全体に染み込ませ、しばらく置いて乾いたら、念入りにブラシをかける。薄汚れて白茶けていたのが、少し革ら…

コロー展

天気が急速に回復した午後、山を下りて神戸市立博物館のコロー展に出かける。コローといえば、個人的には「モルトフォンテーヌの思い出」。美術の教材か何かで見て、その抒情性に引かれたのが、絵というものが面白くなる最初だった。当時集英社からヴァンタ…

初冠雪

寒いと思ったら、山は雪になっていた。朝方見たライブカメラの槍ヶ岳は薄く雪化粧している。9月に冠雪するのは数年ぶりだそう。山はこの時期、天気次第で一気に冬になる。 山の初雪といえば、思い出すのは数年前の10月初旬、南アルプスの便ヶ島を起点に2泊…

山座同定

高度と天候、澄んだ空気にめぐまれた山頂に立った時、山好きの楽しみは、遠く近くに見える山影の一つ一つに正確な山名を指摘し、またそのために持てる山の知識と経験を動員して思案すること、すなわち山座同定にとどめをさす。 先日の仙丈ヶ岳でも条件にめぐ…

仙丈ヶ岳

南アルプスの仙丈ヶ岳にK氏と登ってきた。前日、北沢峠のバス停から歩いて10分の駒仙小屋(以前は長衛小屋といったけれど、峠の長衛荘との混同を避けたのだろう)にテントを張って軽い荷で往復という、前回の八ヶ岳以上のお手軽プラン。深更小雨があったが…

虫声

家の周りで虫の声が頻り。そういえば地獄谷温泉では途中の山道も部屋にいても、ずっと鈴虫の美音に取り巻かれていたものだ。あまりにおあつらえ向きにみごとなので、もしかしたら人が放したものかと宿の人に聞いてみたら、とんでもないということだった。考…

雨樋

先日の台風が雨も風もほとんど拍子抜けで通り過ぎたと思ったら、今日は昼過ぎから雷鳴が轟く予期しない天気に。夜にはバケツというのは少し大げさとしても、洗面器をひっくり返したほどの雨。たちまちあちこちで盛大な水音が響き始めるのは、雨そのものでは…