D700 vs D90

 日々進化している分野をウォッチするのは面白い。それが趣味と重なっていれば、なおさらワクワクさせられる。自分の場合はデジタルカメラ、とくにデジタル一眼がそれ。デジタル一眼は今、完成形に向けて6合目あたりだろうか。まだまだあっと驚く展開が期待できる旬の開発分野だ。
 この夏から秋には、ニコンとキャノンに注目すべきデジ一が出た。ニコンD40というローエンドの一眼を使っている関係上、とくにニコンの2機種の情報には(購入の予定はまったくないが)涎を垂らしつつ見入っている。2機種というのはD700D90で、前者が上の下か中の上クラス、後者が中の下クラスと、スペック的にも値段的にもかなり差がある。
 具体的にはD700がフルサイズのイメージセンサー搭載機なのに対し、D90APS-Cサイズのセンサーを搭載。もちろん他にも多数違いはあるが、最大の違いはこれだろう。イメージセンサーというのは画像を記録するフィルムの役目をしているもので、当然そのサイズが大きいほど画像も精細になるはず。フルサイズとAPS-Cではどれだけサイズが違うかというと、それを図化したのがこれ。

 もちろん実寸ではないが、比率的にかなりの違いがあることが分かるだろう。ちなみに一番小さなピンクは、一般的なコンパクトデジカメで使われている1/2.5型CCDのサイズ。段違いの小ささだ。
 さて、こんなにもセンサーのサイズに差があるD700D90だが、両者の画質に思ったほどの差がないことに最近気づいた。一昨日だったか、[Digital Camera Resource Page]に同じ風景を撮った実写画像が掲載されて、同じ風景といっても天気や時刻、季節が違えば比較にならないことも多いのだが、幸いにもほぼ同時に撮影されたものらしいので、目を皿のようにして比べてみた。
D700 Photo Gallery
D90 Photo Gallery
 これを見ると、倍以上の値段の開きのある2機種の画像にはほとんど差がない。色合いは同じだし、解像感も等倍画像でよくよく見ると、さすがにセンサーの大きなD700の方がわずかに鮮明だが、ごく僅差。
 う〜む、これほど伯仲しているとはなあ。D90の健闘を讃えるべきか、D700の力の出し惜しみ? を遺憾とするべきか。もちろん、高感度撮影だとか、ダイナミックレンジの能力とか、機能の豊富さ・作りの違いなど、トータルに比較すればランク相応の差はあるのだろうが、普通に撮影する分にはたたき出す画像はほぼ同等。カメラの命はやはり画質なのだから、D90はきわめてCPの高いカメラだと言うべきなのだろう。ううっ、にわかに物欲の疼きが…。