秋草烈日

 台風一過、久しぶりに直射日光がカッと降る日。そういえば「あかあかと日はつれなくも」の、傾きつつもまだ熱を帯びた日射しを、この秋はほとんど感じることなく来ている。
 カメラを手に庭に出ると、夏の炎暑でくたびれ果てた花壇でかろうじて目を引くのは、二三のサルビアシュウメイギク、シモバシラ。隅っこには抜き残しの雑草の花も細々と咲いていて、祭の後の庭の雰囲気もそれなりにわびさび的妙味がなくはない。あかまんまとみずひきの花。花をうたい込んだ名詩とともに。 

歌/中野重治

のちのおもひに/立原道造