雨樋

 先日の台風が雨も風もほとんど拍子抜けで通り過ぎたと思ったら、今日は昼過ぎから雷鳴が轟く予期しない天気に。夜にはバケツというのは少し大げさとしても、洗面器をひっくり返したほどの雨。たちまちあちこちで盛大な水音が響き始めるのは、雨そのものではなく雨樋からあふれた水が屋根や地面をたたく音。この山家では大雨のたびに上からの洪水に悩まされる。
 というのも、裏山からの落ち葉が頻繁に雨樋にたまって、水を詰まらせあふれさせるから。しかも、落ち葉という奴は、冬だけでなく、春には春で常緑樹が新陳代謝の落葉をするし、台風などで風が吹くとまたそれなりに葉が舞い飛ぶから、実は1年中雨樋にたまり続ける。ときどき屋根に上って樋さらえをしなくちゃならないが、いい天気のときには雨樋のことなんて忘れている。雨樋の機能の重要性に気づくのは、雨樋が機能不全を起こしている時、というのが毎度のパターン。だから、大雨のたびに屋根から滝のように水がこぼれる。
 いっそのこと雨樋なんてなければと思わないでもないが、雨の少ない外国ならともかく、日本ではいろいろ不都合が出てくるんだろうな。といっても、こう屋根から洪水では雨樋がないのと変わらない。誰か落ち葉のたまらない山家仕様の雨樋を考案してくれないだろうか。