深田久弥・硫黄岳

『四十年前、私が初めて登った時は、八ヶ岳はまだ静かな山であった。赤岳鉱泉と本沢温泉をのければ、山には小屋など一つもなかった。五月中旬であったが登山者には一人も出会わなかった。もちろん山麓のバスもなかった。 建って二、三年目の赤岳鉱泉に泊まり…

稲子岳二重山稜

先日の八ヶ岳登山。タイミングよく晴れ渡った東天狗岳からの眺めで、目を引いたものの一つがこの不思議な地形。中山に続く山上台地の東端が一段下に落ちてテーブル状の台地になっている。地形図で見るとこんな感じ。 調べてみるとこれは二重山稜地形の一種の…

八ヶ岳

木曜・金曜はK氏とテントをかついで八ヶ岳へ。たぶんこの夏唯一の幕営山行。 でこぼこの林道を桜平まで車で入ると、後はわずか1時間歩いただけで山懐のオーレン小屋に至るというお得なルートを選択。この小屋には個室や風呂まであり、トイレは清潔、道中も…

御嶽余録

▲先達の朗々とした「六根清浄」に、女性がきれいな声で合わせてた ▲登山道はなぜか石室山荘の中を通過。バテてたので畳にひっくり返りたかった ▲雷鳥のヒナ。2羽いる ▲たくさん見かけたカラマツ草。ミヤマカラマツかと思いきや、ここを見たらモミジカラマツ…

御嶽山

土曜日はこの夏最初の夏山登山。去年初めて登って面白かった木曽御嶽に、今度は長野県側から登った。前夜、標高1820mの中の湯駐車場まで入って車中泊。この黒沢口コースは最も古くから開かれた登拝道だけに、今は車道になっている部分にもたくさん石碑や石…

夏山本番

とは言ったものの、今年はもひとつ夏山気分が盛り上がらない。梅雨が例年になくあっさり明けてしまったせいで、今か今かと夏山開幕を待ち受ける気分が盛り上がらなかったためか、それとも単に衰えか。そういえば、山巓の空気をリアルタイムに伝えてくれる山…

夏訓・摩耶山

日曜は梅雨明けを思わせる暑熱のなか摩耶山に登った。しばらく山はご無沙汰のせいか、最近体調すぐれず腹もだぶつき気味。かくてはならじと、何年かぶりに自宅からのフル周回にチャレンジ。 コースはまず菊水山に登り、天王谷吊橋で有馬街道を渡って鍋蓋山へ…

八経ヶ岳

梅雨入り最初の週末に最初の梅雨の晴れ間がのぞきそうなので、2年ぶりに弥山・八経に登る。とても国道とは思えない309号を走って行者還トンネル西口へ着くと、すでに車で一杯。何とか端っこにとめて湿度の高い道を稜線上の奥駈道めざして登る。 下部にはも…

雪山・藪山

山頂から三ノ丸方面 3/29 5/18 大段ヶ平から山頂 4/04 5/18 先日の氷ノ山で撮った風景と以前に山スキーで登った時のものに、近いアングルのがあったので並べてみた。いや〜、わずか一月半ほどの違いでまったくの別世界。きっぱり潔癖な雪の捨象の妙を讃える…

氷ノ山・スズノコ狩り

日曜はK氏を誘ってこの時期のお楽しみ、ネマガリダケの筍、スズノコ狩りに。4月に山スキーで登った大段ヶ平からの道を進み、途中の笹藪に突入してスズノコを探す。すでに地元の人がかなり入っているらしく、去年はそれなりにあった出合川源頭のコルまでの…

鈴鹿 藤原岳・御池岳

土日は思い切って日本アルプスで山スキーというプランもあったのだが、娘が一日車を使いたいというので断念。まあ、それがなくても滑りに自信がないので、斜度がきつく雪の状態も大きく変化する高山スキーは荷が重い。来シーズンは氷ノ山だけでなく、越美の…

山岳スキーヤーの死

山岳遭難のニュースに絶句。実は2月26日に紹介した山スキー動画の主がこの人。山スキーメーリングリストへの投稿やブログ、YouTubeの動画で今シーズンも極限の山岳滑降を楽しませてもらったのだが、悲劇的なシーズンエンドが待っていた。4月22日に配信され…

それぞれの山スキー

火曜の氷ノ山でも前回に続いて味のあるベテランとの出会いがあった。帰途、除雪済みの林道を歩いていると、もう2時だというのに、バイクでやってきてこれから登ろうとしている中年スキーヤーに出くわしたのだ。聞いてみると、横行谷を真っ直ぐ登って1時間…

氷ノ山

快晴の火曜日は、またぞろ山に逸出。今シーズン最後の氷ノ山を楽しもうと、10日前と同じ横行林道に入ると、意外にも除雪がかなり進んでいる。除雪終点近くに駐車し、8時半出発して30分でもう林道の分岐。大幅に時間が稼げたので、三ノ丸と氷ノ山本峰をぐる…

氷ノ山余話

甘露 先日の登山のアプローチに使った横行林道には、道沿いの崖から湧水の見られる個所が幾つかあって、帰途には立ち寄って喉を潤したり、顔を洗ったりできるのがうれしい。先日もそんな一つを口に含んでみたところ、ありゃ、まろやかで美味い水ではないか。…

氷ノ山

金曜は山へ奔る。前回早々尻尾を巻いた横行コースに再挑戦。林道歩きが長くなることを心配して、今回はMTBをもっていく。8時半、ザックにスキーをくくり、自転車にまたがって出発。林道はなだらかだが、すぐに腿が痛くなって漕ぎ続けることができない。結局…

氷ノ山

土曜は3週間ぶりに氷ノ山へ。去年良かった横行コースから山頂・三ノ丸周回の計画で横行林道に入るが、道の雪はほとんど消えているのに、局所的な残雪で意外にも去年の同時期より2キロほど手前で通行不能に。スキー靴で板を担いで舗装路を歩き始めるが、ず…

氷ノ山三ノ丸幕営

モナカ雪…(;_;) 土日は2日間とも好天の予報を受けて、念願の三ノ丸大雪原での幕営に出かける。先週に続いて戸倉トンネル東口から旧道・県境尾根を経て三ノ丸へ。前日に少し新雪が積もったようで、先週のトレースはうっすら残るばかり。今日はスノーシューの…

氷ノ山三ノ丸幕営アルバム

落折山をバックに谷を登る(拡大) 県境尾根のブナ林 雪原とブナの風景 古木の下にテントを張る 大雪原を三ノ丸へ 光を浴びる坂ノ谷コースのブナ林 三ノ丸避難小屋と展望櫓 四阿は霧氷でびっしり 1337標高点にも足を伸ばす 茜に染まる山々 雪原に沈む陽 テント…

氷ノ山

日曜は今年3度目の氷ノ山。前回訪れた1月下旬には藪はまだ埋まり切っていなかったが、その後長い寒波が続いて、きっと豪雪だった一昨年並の風景が見られるだろうと、ワクワクしながら国道29号を北上する。戸倉トンネルまで来ると、さすがに道の両側にはバ…

明神平

月曜はK氏と恒例の雪の明神平もうで。アプローチの大又林道は濡れた路面が凍結して、スタッドレスを履いていても立ち往生している車がある。4駆のK氏車でさえ頻りに空回りしつつ進むから、2駆の自車では苦しかっただろう。たどりついた駐車スペースは既…

恐羅漢

寡聞にしてこんな名前のそこそこの標高の山が広島にあったことを初めて知ったし、こんなにしっかりしたスキー場があったことも初めて知った。地形図を見ると、南北に伸びるゆったりした稜線の両側に大きな斜面をもつ特徴のある山。山頂付近ののっぺりとした…

氷ノ山 県境尾根

日曜は今年2度目の戸倉峠からの県境尾根。たぶんこの冬最大の寒波で、中国脊梁山地の山には雪がたっぷり。深い新雪のラッセルで難儀することは目に見えているが、それもまた一興と早朝神戸から走る。 さすがに波賀あたりから雪が現われ、戸倉トンネルに近づ…

蛇谷ヶ峰

日曜は久々にK氏のリクエストを受けて、比良山系北端の蛇谷ヶ峰へ朽木スキー場からの登山を計画。朝7時に名神のPAで合流する約束だったが、目が覚めたら9時半。あちゃー、完全に寝過ごしたあ。携帯で連絡が取れないので、とりあえず現地へ走る。朝は弱…

雪中群鹿図

先日の氷ノ山で面白かったのは、林道といい山といい、そこいら中に鹿の足跡というか、深い新雪をズボズボ歩いたラッセルの跡が残っていたこと。兎の足跡も多かったが、鹿の気配が圧倒的で、林道全面にまるで鹿の集会でもあったように、無数の足跡が広がり、…

氷ノ山

日曜はスキーを履いて氷ノ山の県境尾根へ。戸倉トンネル手前から新雪の積もった旧道をポクポク歩いて戸倉峠を越える。ログを取りたくてその先の林道から早めに尾根に取りつくと、稜線上はやはりまだチシマザサが埋まり切っていない。鹿のラッセル跡を追いな…

槍平雪崩

年が変わる頃に発生した雪崩で4人の命が失われたという。現場が槍平と聞いて耳を疑った。雪崩とは無縁な安全圏というイメージがあったからだ。新穂高温泉から右俣谷をさかのぼり、白出沢・チビ谷・滝谷と穂高側から落ちる枝谷を渡って、左手に深かった流れ…

下山地温泉

BSiの「温泉遺産」という番組をぼんやり見ていたら、この夏、白根三山を縦走した時にお世話になった奈良田温泉が出ていた。下山後汗を流した立ち寄り湯も紹介されていて、こんなに雰囲気のいい所だったっけというような映像。カメラのマジックと言いたくなっ…

六甲横断

表六甲の登山界?では、阪急芦屋川から山頂までが代表的なタイムトライアルコースとされているのを知って、有馬までの山越えがてら、このコースを試してみることにする。エアリアマップの山頂までのコースタイムは3時間なので、目標を2時間として、駅前の…

GPSログの楽しみ

ハンディGPSのトラックログに時間データが残せるようになって、新しい楽しみ方ができるようになった。カシミールの地図上でその日の歩きをそっくり再現するのである。再生速度は自由に選べるから、たとえば20倍の早送りにすれば、3時間の行程が9分で復習で…