恐羅漢

 寡聞にしてこんな名前のそこそこの標高の山が広島にあったことを初めて知ったし、こんなにしっかりしたスキー場があったことも初めて知った。地形図を見ると、南北に伸びるゆったりした稜線の両側に大きな斜面をもつ特徴のある山。山頂付近ののっぺりとした地形は氷ノ山に似ている。ガスに巻かれた時、方向の見定め難い危険な地形だということも氷ノ山といっしょだろう。7人のボーダーたちにGPSがないなら、おそらくこの地形で方向を失い、意図しない西側や南側に迷い込んでいる可能性が高い。ボードやスキーは下るのは早いが、引き返そうとすると、スキーならシール、ボードならスノーシューを持っていないと、たちまち身動きが取れなくなる。もちろん壺足で深い新雪を長く歩くことなど不可能。考えてみたら、スキーもボードもゲレンデ外では状況によっては板子一枚下は地獄なのだ。だからこそ、装備も行動も万全・細心でなくてはならない。