夏訓・摩耶山

 日曜は梅雨明けを思わせる暑熱のなか摩耶山に登った。しばらく山はご無沙汰のせいか、最近体調すぐれず腹もだぶつき気味。かくてはならじと、何年かぶりに自宅からのフル周回にチャレンジ。
 コースはまず菊水山に登り、天王谷吊橋で有馬街道を渡って鍋蓋山へ急登、大竜寺・市ヶ原を経て、天狗道で摩耶山に登るというもの。菊水山から摩耶山までは六甲全山縦走のコースと同じ。標高差や距離は大したことないが今日の大敵は暑さ。水とスポーツドリンクをしっかり用意していく。
 それでも菊水山・鍋蓋山・摩耶山と順次きびしくなる三段重ねの登りは、登山コースとしてもちょっとしたもの。アルプストレーニングのつもりで極力休みを取らずに行く。各山頂にはこの暑さのなか登山者が多い。すれ違う人はみんな汗だくで、今日の挨拶は「こんにちは」に加えて「暑いですね〜」。そこにちょっと照れたような表情がくっつくのは、「お互い、ようやりますなあ」のこころ。
 布引谷が堰堤のうえで広い河原になった市ヶ原には、水遊びの人がおおぜいくり出して、もうすっかり夏の風景。その上の茶屋には下ってきた登山者が憩っている。もう登りの人はほとんどいない。稲妻坂までは順調だったが、露岩を縫う不規則な急登が続く天狗道でついにバテが来る。いっきにペースダウンして、立ち止まっては水をがぶ飲み。風がほとんどなく、脳味噌が沸騰しそうなほど熱い。空冷用のうちわを持ってくるんだった。結局、調子のいい時の1.5倍ほどかかって、フラフラになって掬星台にたどり着く。
 公園の水道の水を頭からかぶって急速冷却。さらに飲み物を買って大あずまやの下のベンチにひっくり返る。結局2リットル近く水を消費している。それが全部汗に出て、全身汗みどろ。夏の低山登り、恐るべし。高山なら涼しいのでここまでバテることはないはず。
 30分ほどひっくり返ってうつらうつらしていると、今度は汗で体が冷えてくる。下りはいつもの桜谷道・徳川道コース。布引谷はまだ水量が多い。徳川道のナツツバキに花が一つ。オニグルミは今年は実が多め。なじみの下山コースの景物は疲れた心身にやさしい。また少し汗をかいて分水嶺越え林道を越え、迎えを頼んだ嫁さんに拾われて帰宅した。疲れ切って、徒歩での周回はあっさり断念。
有馬街道をまたぐ天王谷吊橋
天狗道からの神戸の眺め
緑濃い桜谷出合付近の布引谷