六甲横断

 表六甲の登山界?では、阪急芦屋川から山頂までが代表的なタイムトライアルコースとされているのを知って、有馬までの山越えがてら、このコースを試してみることにする。エアリアマップの山頂までのコースタイムは3時間なので、目標を2時間として、駅前の広場でGPSを起動し、12時半ジャストにスタート。
 セレブな雰囲気漂う芦屋の住宅地を抜けて、高座の滝の脇から登山道に入る。風吹岩までは岩場を縫いながらのきつい登り。今日は風が強くて、岩の横の鉄塔がブンブン唸り、まさにその名にふさわしい日。その先は、短いアップダウンはあるものの、比較的ななだらかな道が七曲がりの取り付きまでだらだら続く。
 風吹岩への登りでまずダメージを食らい、それを回復するべく中間ルートを自重していくと、どんどん時間が経って最後の七曲がりの登りにかかる頃には目標の2時間まで30分を切っている。あせって登っても足にきていて、スピードが上がらない。結局、一応ゴールと決めていた一軒茶屋には2時間を1分だけ切って到着。本当のゴールはその上の最高峰みたいだが、今日はここまでで良しとして、後はゆっくり舗装路を歩いて最高峰。続けていれば2時間5分といった所かな。いつもの摩耶山はシャカリキに歩いても1時間で片がつくが、2時間頑張り通すのはさすがにきつかった。
 このトライアルを提唱したガイドの三輪文一氏によると、「普通の山登り=3時間以内、日本アルプスに登る=2時間30分以内、ヨーロッパアルプスに登る=2時間以内、8000m級の山登り=1時間30分以内」ということだから、もう少しでモンブランに登れる、って、まさかね。あの岩と氷の山々は体力だけでなく、高度な氷雪技術が不可欠でしょう。
 それはともかく、さらにタイムを上げるには、中間部のダラダラ部分を小走りしてタイムを稼ぎ、かつ余力をもって七曲がりに入って、その後半のやや傾斜の緩い部分でもっとスピードを上げることが必要かな。といっても、こちとら山でも平地でも走るのは嫌いだし、走ったら心臓が持ちそうにないので、これ以上はちょっと無理そうだ。
 後半は、その昔、有馬に新鮮な魚を運ぶルートだったという魚屋道(ととやみち)をのんびり歩いて、3時半有馬に到着。銀の湯で汗を流した後、金の湯の向かいのビアバーでソーセージを齧りつつ黒ビールをグビグビ。温泉は脱衣場が狭くて、浴槽も一つきりでイマイチだったが、湯上がりのこの一杯には大いに満足。これがあるから、このコースはちょっと癖になりそう。
芦屋→有馬GPSログ
風吹岩からの大阪平野の眺め
六甲最高峰の電波塔と三角点広場