氷ノ山

 土曜は3週間ぶりに氷ノ山へ。去年良かった横行コースから山頂・三ノ丸周回の計画で横行林道に入るが、道の雪はほとんど消えているのに、局所的な残雪で意外にも去年の同時期より2キロほど手前で通行不能に。スキー靴で板を担いで舗装路を歩き始めるが、ずっと雪がなさそうな気配に、気弱くもこのコースを断念。氷ノ山国際スキー場まで移動して、東尾根から山頂をめざす。歩き始めが10時になってしまったのと、不案内なコースにいきなり下手なスキーで行くのは不安なのとで、登山靴に切り換えて出発。雪でルートがはっきりしないので、古い足跡を追っていくうちに急な谷に入り込んでしまい、冷や汗もので岩や木にすがって登り上げ、何とか東尾根に乗る。
 尾根上にはたくさんの足跡とスキーのトレースもあり不安はない。最初からこれをたどってればよかった。一ノ谷の急登を登り切ると、尾根は広がりブナも多くなり気持ちよく進んで行ける。小寒波があったようで、ブナの枝は小さな霧氷をまとい、新雪も薄く積もっている。天気は今一つだが、右手には福定の谷とその向こうに雪まだらの鉢伏山の眺めが爽快。千本杉と古千本を通過すると、避難小屋と展望舎が見えて山頂。スキー場から2時間ほどの行程だった。
 小屋周辺には三ノ丸からの登山者も含めて、たくさんの登山者が休んでいる。大雪原を見晴らす南東側の斜面に少し下ってコーヒーを沸かして昼食。風は冷たいがツェルトを被りたくなるほどではない。見下ろすほとんど平らな雪原は無雪期には古生沼と呼ばれる湿原だろうか。雪原を縁取る古千本の杉の群れや霧氷の木々に時折光が当たり、またガスがかかる。右手には三ノ丸と東に下る尾根がゆったり横たわる。氷ノ山は山裾も含めてまだまだ雪たっぷりだ。八木川沿いの県道から見る氷ノ山も、真っ白に輝いてまるで北の山みたいだった。横行コースも腰砕けにならなければ、けっこう面白かったかもと少し後悔。
 下山はそのまま目の前の大斜面を下って、神大ヒュッテへと続くブナ林をさまよう。スキーのシュプールが幾つも残っていて羨ましい。今日の雪だったら、自分でも気持ちよくブナを縫って滑れたかも。神大ヒュッテから先、尾根は横行コースの大段ヶ平への尾根と東尾根に分かれる。東尾根が急に細く収斂する手前の、一ノ谷の急斜面もシュプールは縦横に下っている。これぐらいの斜面、平気で滑り降りられないと山スキーやってますなんて言えないだろうな。大人数のトレースを追って稜線から北斜面を下降し、2時半スキー場帰着。まだしばらく山スキーでも遊べそうな氷ノ山だった。次は横行コース再チャレンジかな。
東尾根から氷ノ山GPSログ
東尾根の霧氷と鉢伏山
山頂から望む二ノ丸・三ノ丸
山頂東南に広がる大雪原
雪原の向こうに連なる古千本
ゆったりと伸びる三ノ丸東尾根
古生沼周辺の雪原の風景
ブナ林と神大ヒュッテ
一ノ谷手前の急斜面のシュプール