氷ノ山

 金曜は山へ奔る。前回早々尻尾を巻いた横行コースに再挑戦。林道歩きが長くなることを心配して、今回はMTBをもっていく。8時半、ザックにスキーをくくり、自転車にまたがって出発。林道はなだらかだが、すぐに腿が痛くなって漕ぎ続けることができない。結局、平らな個所以外は自転車を押していく。30分ほど行くと道に雪が現われ、自転車を置いて進むとすぐに去年の駐車ポイント。結局案ずるほど林道歩きは長くなかった。
 氷ノ山東南麓の登山基地、大段ヶ平までは2時間のスキーハイク。氷ノ山に向かって真っ直ぐに伸びる大きな横行谷に沿って林道を進む。中間点で早くも下ってくる人と遭遇。このところの小寒波で積もった新雪に壺足が沈み、長い林道歩きが難儀そうだ。駐車地に1台あった車の主で、昨夜から登って避難小屋に泊まって夜明けの撮影をねらったという有髭のカメラマン氏。今年の雪や林道の除雪についてしばし楽しく立ち話。地域に冠たる山にはいろんな分野の味のあるベテランが通いつめていて時に面白い出会いがある。
 大段ヶ平からは山頂へゆったり伸びる尾根を登る。ブナの多い気持ちのいい尾根で、傾斜もゆるやかなので下手なスキーにも安心。三角屋根の大屋町避難小屋手前から尾根が広がり、前回登った東尾根が合流する神大ヒュッテあたりはブナの大木のすばらしい森。夏道は尾根の北側を通って山頂へ向かうが、北風が冷たいのでずっと南側のブナ林を歩いて、そのまま古生沼の雪原を抜けて山頂へ登り詰める、12時45分。
 さすがに今日は山頂は無人。三ノ丸方面から往復した新しいシュプールだけが残る。三角点から赤倉山から扇ノ山へと連なる山々の眺めを楽しんでから、先週の昼食ポイントに下って湯を沸かしてお握り・味噌汁の昼食。暖かければゆっくりしたいところだが、朝よりも少し雲が多くなり、風も冷たい。すぐに足元を固めてスキーで下り始める。新雪が重いけれど、何とか弧を描きつつ下る。ブナ林も神大ヒュッテもすぐに通りすぎて大屋町避難小屋の先のコルに下って、あっという間に楽しい部分は終わり。シールを張って少し登り返して、また林間を滑ると大段ヶ平。山頂からわずか30分の氷ノ山滑降だった。
 大段ヶ平で甘夏をむいてのんびりした後、林道を滑って帰る。しばらくは傾斜がゆるくて歩きも混じるが、次第に傾斜が出て、雪の末端まで気持ちよくスキーに乗って下る。雪のない林道も下りはMTBでスイスイ。結局、頂上から2時間で車に戻った。
横行渓谷から氷ノ山GPSログ
横行林道はまだ雪十分
大段ヶ平から望む氷ノ山
1年ぶりの大屋町避難小屋
気持ちのいいブナの林が続く
千本杉の南に広がるブナ林
山頂へ続くメロウな雪原
山頂からの扇ノ山と青ヶ丸・仏ノ尾