奥白根は大展望の山

 まだ山旅の濃密な印象が渦巻いていて、頼まれ事にもなかなか手がつかない。今日も山を肴にもう少し遊んでみることにする。
 今日は奥白根山編。奥白根での一番の発見は、この山も含めて日光が、素晴らしい火山地形の王国だということだった。たとえば、山頂から撮った下の写真など、まるで火の国九州の霧島火山群や久住連峰かと見紛うばかりじゃないか。
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 山頂直下の火口湖五色沼を前景に、左から於呂倶羅山、三岳と山王帽子山を手前に太郎山、真ん中一番奥に女峰山、その手前に小真名子山・大真名子山、そして右に大きくご存じ男体山。とにかく火山地形のオンパレード。火山マニアにとっては涎を垂らしたくなるような風景なのだが、これがみんな関東の山なのだ。東京という所は本当に山に恵まれた大都市だと羨ましかった。
 東にこんな風景が広がっているかと思えば、片や西にはとんでもない大展望が待っていた。高曇りのベストな空ではなかったが、見えるべき山は全部見えていたんじゃないだろうか。山頂の人たちもみんな山座同定に大忙し。近くにいた地元のおっちゃんたちも興奮気味だったから、幸運な登山だったのだろう。
 関東や上越の山には知識がないので、気がついた山だけ列挙すると、富士山・白根三山・甲斐駒・八ヶ岳・乗鞍・雪をかぶった北ア、そして浅間と頸城の山々…。特に、浅間の右手、とんがった四阿山らしいピークの向こうに、双眼鏡を覗くと、大キレットを間に槍と穂高が間違いようがなく見えたのは感激だった。その写真がコレ。コンパクトデジカメではこれが精一杯だが、これでも肉眼で見たのよりは少し分かりやすい。ちなみに奥白根から槍まで直線距離にして162.8km。かなりの好成績だったんじゃないだろうか。