大野盆地

冬の大野盆地
 町外れにある、隣接するゴミ焼却場の熱を利用したらしい立ち寄り湯の駐車場で、登山の前夜車中泊したのと、下山後同じ温泉で汗を流しただけの越前大野だが、ゆっくり歩けば魅力ある町並みに出会えそうな雰囲気のある街だ。それに、この街は立地がふるっている。地理的に大野盆地という名前が与えられているだけあって、四囲をぐるりと山が取り巻いていて、由緒ある城下町の風情が山の風景にとけ込んだ、信州松本や飛騨高山にも通じる「山都」の風格が感じられなくもないのだ。また、山に雪のあるこの時期、広々した農地と屋敷林をともなった集落の背後に、白い山が連なっている郊外の風景などは、ちょっとスケールは違うが、北アルプスを背景にした安曇平を思わせて、いい感じだ。

 この大野盆地には[荒島岳ライブカメラ]という素晴らしくレスポンスのいいライブカメラが設置されていて、上はその今日の影像。天気がコロコロ変わった昨日と違い今日は一日いい天気だったようで、盆地の向こうには荒島岳がかっこよく聳えているし、その右には前山の向こうにわずかに昨日めざした縫ヶ原も見えている。昨日は天気よりも雪質に負けてしまったわけだが、こんな山の姿を見せられると、もう一度挑戦したい気持ちが湧いてくるから困ったものだ。