基地問題

 今日の天声人語がいいことを書いてる。

『そもそも沖縄で安保を説く前に、この島の重荷を米国に説くのが先ではないか。…ゆめゆめ米国の代理人として、あてもなく南の島を訪ね歩くことなかれ。』
 全く以て、鳩山さんがやるべきは、オバマに沖縄の地図を示して、日本国沖縄島をおおっているこのとんでもない面積の米軍基地を何とかしてくれと直談判することじゃなかったろうか。
 他国の基地なんて、この狭い島国のどこでも住人が黙って受け入れるはずがないんだから、沖縄の負担軽減を言うなら、めざすべきは移設じゃなくて縮小。冷戦がとっくに終わって、オバマ軍縮に熱心なのだから、今こそ堂々と主張できたはずなのだ。
 それに、東アジア共同体というなら、超大国の軍事拠点としての役割を返上しなければ、そんなことは訴えようがないはず。自分に向けた鉄砲に肩を貸している人間と、誰が握手しようと思うだろう。
 自国内に他国の基地が幾つもあり、それに口出しができないというのは、つまり軍事的にはまだ敗戦後の占領状態が続いている軍事属国だということに他ならない。それを変えるつもりがなければ、基地問題に手を出しても八方塞がりになるのは最初から目に見えていたんじゃなかろうか。鳩山政権にはそんなことさえ見えてなかったんだろうか。
 新政権に国際問題で何かを期待するのは無理なようだ。せめて国内問題だけでも自民と違うところをもっと見せてもらいたい。