おくての原種

H.purpurascens
 原種ヘレボラスのプルプラセンスが蕾をつけた。よく見るとほとんど開花しているのだが、うつむいているので花の様子は分らない。無理に仰向かせるとポロリと首が取れそうで手が出せない。というのも、苗を買って5年目にしてようやく咲いた虎の子の花だから。
 確か高杉種苗さんから取り寄せたものだが、このナーセリーは熱心に交配をやっているらしく、たくさん出る選外の苗をおまけにつけてくれる。そのときも、たった一株の注文に三つほどおまけがついてきたはずで、その選外のハイブリッド種は庭植えにして今では立派な株になっている。特に一株などは冬もこんもりと葉を繁らせて、咲けばアネモネ咲きと何が選外なのかわからない良株。
 一方プルプラは、その間、二三本茎を立てるもののずっと鳴かず飛ばずで、日本の気候が合わないのか、もともとそういう種類なのか、あきれるほど成長が遅かった。それが今年ようやく開花を迎えたのだから実にめでたいのだが、花はそんなことは知らぬ顔で地味な花をうつむかせている。大器晩成でこれから目覚ましく咲いてくれればいいのだが、どうもそんなドラマチックなタイプでもなさそうだ。