LIFE画像の大阪砲兵工廠

 杉山鉱山の残影、追加。
 LIFE誌がGoogleで公開しているアーカイブにも幾つか戦後大阪の空撮写真があって、2点砲兵工廠のものを見つけた。かなりの高度から撮った地図作成用? の前回の写真と違って、これはもっと低空からの報道写真。すさまじい破壊の様子がリアルに見て取れる。

LIFE photo archiveへ
 これは西側から大阪城を撮ったもので、奥に砲兵工廠が写っている。しかし注目すべきは大阪城の被弾状況で、明らかに何発か食らって、左側の石垣などざっくりえぐれている。よくも天守閣が無事だったものだ。天守閣の右奥にある建物は陸軍第4師団司令部。戦後は占領軍の接収をへて、警察庁舎になり、その後は市立博物館になっていたが、今は閉鎖されて静かに眠っている。

LIFE photo archiveへ
 そして、これが大阪砲兵工廠の近接空撮。広大な軍事工場がまさに木っ端みじんという状態だ。これを見ると、砲兵工廠の建物は、今では田舎の古い工場にしか残っていないような、鋸屋根だったことが分かる。その三角形の壁と屋根を支えていた支柱だけが残るなかに、1トン爆弾の穴ぼこが幾つも開いている。先日の高空からの空撮と子細に見比べてみると、写っているのは工廠の南西端の部分で、右奥に見えるのは本町通りだということが明らか。今の大阪城公園森ノ宮口噴水周辺の見当だ。
 2点とも1945年9月の撮影。まさに硝煙の臭いが残るような敗戦直後の傷だらけの国土の残像だ。