権力闘争

 石川起訴・小沢不起訴。まあ、やってることもヒドイもんだが、これって、遠い国からごくごくかいつまんだ情報だけできわめて客観的に見たとすると(意外にこうゆう視点が正鵠を射たりする)、旧政権時代が恋しい官僚集団の先兵たる検察が、人気絶頂だった新政権の足を懸命に引っ張って、あわよくば政権転覆、王政復古をねらった図、ということになるんじゃないだろうか。
 支持率の急落を見ると、官僚集団のねらいは半ば成功したわけだが、まだ夏の選挙まで時間が残ったのが詰めの甘さか。ここから民主がどう巻き返すか、巻き返す知恵と説得力があるのか、お手並み拝見といったところ。
 半分以上が元自民の同じ穴の狢の民主に別に思い入れがあるわけではないが、権力の椅子にふんぞりかえって、むっつり説明を惜しみ、聞く耳を持たなかった自民にくらべて、まだしも情報の風通しをよくして、言葉による説得に力点を置いているように見える民主には期待感がなくはない。やるだけやらせてから評価してみたいと思うのだが、派手な政権劇が大好きで、大きな視点での政策評価よりも個別の混乱・紛糾の報道に注力しがちな日本のマスコミ風土の下では、そんなスタンスもどうしても揺るぎがちになる。