大山雪景


 いや、驚いた。秋色の大山が一晩で真っ白だ。つい先日、渋滞に巻き込まれながらもブナ林の黄葉を楽しみつつ走った大山環状道路が、今日はなんと雪で通行止め。鏡ヶ成ライブカメラを見ると、まだ青い芝生に紅葉が映えていた高原がすっかり雪原になっている。奥大山紅葉情報の本日のページには、昨日写真を載せた幾つかのスポットの今日の雪景色があって、見くらべては呆れている。
 季節の推移を感じさせる自然現象は数々あれど、雪ほど劇的に景色を変えてしまうものが他にあろうか。地上の諸々が、黄色かろうが青かろうが、冬を迎える準備が出来ていようがいまいが、お構いなしに降り積もる。紅葉の山がむりやり厚化粧させられて、その白粉の上にまた赤や黄の葉が散って、綺麗といっていいのか、珍妙といっていいのか、そんな狐につままれたような気分を、そういえばずいぶん以前に11月の初旬の鈴鹿で味わったことがあったっけ。葉っぱだけでなく、落葉前に雪がのしかかったせいで、へし折られた枝もたくさん落ちていたから、早過ぎる雪は人にも自然にも難儀な事態となる。今回は鈴鹿はそんなことにはなっていないようだが、大山ではブナの森がもしかしたら無残な姿になっているかもしれない。
 天気予報によるとこの寒さはすぐに去って、その後は暖かい日が続くよう。雪の季節を歓迎する前に、まず穏やかで明るい晩秋・初冬を楽しみたいものだ。