大山秋景

 週末は伯耆大山の紅葉を見に出かけた。といっても、登山ではなく嫁さんを伴った遠足。蒜山から入って、鏡ヶ成を経て、まずは奥大山スキー場のゲレンデを借りて、道の駅で買ってきた大山おこわと蒜山焼きそばの昼食。最近はいたるところでご当地食が出現しているが、こんなのも以前はなかったぞ。味噌味の焼きそばはイマイチだが、栗や茸の入った甘めのおこわはよく出来てる。ゲレンデの向こうには大山南面の崩壊壁がそびえ、双眼鏡でのぞくと崩れゆく稜線上に二三の人影が見える。こないだの浅間山といい大山縦走路といい、命知らずはどこにでもいるようだ。
 気持ちのいい青桟敷で山を見たり、紅葉を愛でたり、散歩の犬を品評したりしているうちに、下の大山環状道路は大渋滞を起こしている。そこで一計を案じて、御机から国道へ下り、再び県道で中腹を巻いて、枡水から環状道路を戻ってくる大迂回路を採る。枡水まではゆっくり変化する大山の眺めとともに気持ちよく走ったが、環状道路に入るとこちらからも渋滞。けれど道の両側にはよく黄葉したみごとなブナ林が広がり、眺めつつゆっくり抜けていくのもまたいい。ブナ林にとっては渋滞の排気ガスはいい迷惑だろうが。
 幸い日没の少し前に大山の好展望地、鍵掛峠にたどり着いた。夕陽に染まるブナ林と南壁をたくさんの観光客に混じって眺める。遠回りが幸いしてこの夕景に出会えた。秋の陽は釣瓶落とし。暗くなり勝る山を後に帰路についた。
鬼女台からの烏ヶ山と大山(拡大)
奥大山スキー場からの大山南壁
御机の萱堂付近からの大山
御机の棚田越しの大山
西成集落からの大山
日光小学校と大山
末鎌からの大山
鍵掛峠からの大山暮色