薄夏


 これがまあ真夏の日本列島だろうか。この週末に予定していた南八ヶ岳ヘの幕営山行は、先週来晴れを約束していた天気予報が、金曜になって突如暗転して延期に。今日の列島にはわけの分らない雲が分厚くかぶさっているし、南海上には台風の卵みたいなのが連なって順番を待っている。この調子だと、盆休み中に登山日和に恵まれるのは望み薄だな。
 ここにきて、この夏の天候不順は決定的になってしまった感がある。蒸し暑さは例年通りのような気がするが、何といっても日照が足りない。冷夏というよりも、光の薄い夏ということで薄夏とでも呼びたくなるが、暑さの走りをさす薄暑という季語があるので、残念ながら少し季節感のずれた二番煎じだ。
 夏用家電からプール・海水浴場、山小屋まで、本来の夏を前提とする商売の人たちからは早くも嘆きの声が上がっているようだし、この天気傾向が続けば農作物への影響も避けられないだろう。そういえば、太陽の欠けたのも復活したのも模糊として雲に覆われた食い足りない日食が、この夏の予兆だったか。