摩耶山

 久々に摩耶山の黒岩尾根を登る。長引く梅雨の晴れ間の尾根登りは、風弱く、湿度高く、消耗甚だしく、アルプストレーニングに最適。とはいえ、とてもタイムトライアルをやる余裕はない。息絶え絶えに登っていると、道の脇にはなぜかキノコが多く、赤や黄や白や茶色の大ぶりな夏のキノコの毒気に当てられそうな気分になる。途中、展望ベンチで水分を摂って一休みなどしつつ、汗みどろになって掬星台にたどりついた。公園には月1度のフリーマーケットで人が多い。その賑わいを横目に登山者は疲れ顔でベンチにひっくり返っている。そういえば黒岩尾根では珍しく20人ほどのリタイア世代の団体とすれ違ったし、夏山シーズンを前にした六甲には独特の躍動感がある。
 下りはいつも通り桜谷道から徳川道で。徳川道にはナツツバキの自生があって、今年は当たり年だったらしく、道には驚くほど花弁が散り敷いている。こんなのは初めて。花の盛りにはさぞ見事だったことだろう。山は足繁くかよっていないと、素晴らしいことがあっても見逃してしまう。1年ぶりのオニグルミは嬉しいことに枝がよく伸びて勢いがよく、幹も気のせいか太くなったよう。後50年もすれば名木と呼んでいい木になることだろう。トゥエンティクロスから分水嶺越え林道に抜け、迎えを頼んだ嫁さんに拾われて帰った。