夏山仕度

 南九州が梅雨明け。桜島の煙が夏雲と競い、知覧の白い庭も輝いていることだろう。関西も週間予報を見ると、木・金に少し崩れる以外は晴れマークが並ぶ。来週末あたりから梅雨明け気配濃厚。すなわち今年も心踊る夏山シーズンの幕開けが近い。
 去年の8月は御嶽と八ヶ岳、一昨年は御嶽と白根三山。さて今年はどこの山に登ろう。山とルートをあれこれ机上で思案する、これも楽しいひとときだ。MapFan.netを開いて縮尺を上げたり下げたり、中部地方を上空から俯瞰しながらあの山この山と食指を伸ばす。既知未知の山がそれぞれに魅力を放って呼ぶが如くである。目星をつけたら、カシミールを起動して等高線を眺め、登りの手強さ、休憩地とピークの爽快を想像する。登山地図を引っ張りだして、登山道とコースタイムを確かめ、好ましいルートを組み立てる。
 恒例のK氏との夏山幕営用には、去年の八ヶ岳の本沢温泉に味をしめて、高所温泉の代表格、白馬鑓で温泉キャンプかつ杓子・鑓登山というのはどうだろう。また青年小屋にテントを張って、権現・編笠で富士と南アを眺める、去年に続いて八ヶ岳プランも楽しそうだ。単独用としてはちょっとハードに青木鉱泉からの鳳凰三山日帰り周回プラン、同じく中房温泉から燕・東沢乗越日帰り周回プラン、どちらも最近だぶつき気味の腹に効果がありそうだ。いやその前に今年も御嶽で夏山始めと行きたいところだが、ブヨを嫌って6月に登らなかった白山もそろそろ快適な季節だろうか。
 獲らぬ狸の皮算用。プランだけは豪勢だが、結局毎年半分も実現できないで来ているのは、先立つ体力の蓄えがすぐに底を突くからに他ならない。