種蒔き・植え替え

  物種の袋ぬらしつ春のあめ
 蕪村の名句の如く、春雨は植物の生成の促し。これからは一雨ごとに芽生えと成長が加速する。少々の寒の戻りがあろうが、もう蕾の膨らみ、緑の増加が停滞することはないから、やるべきことをさっさとやっておかないと後であわてることになる。
 で、週末はゲラニウムの苗の植え替え。一昨年の秋に播種し、翌春に定植してそのままほったらかしにしていたもの。枯れるものは枯れ、残るものは残って、それを一株ずつ鉢に植える。定植直後、猫の喧嘩のとばっちりでひっくり返されてしまい、種類がほとんど分らなくなってしまったのはご愛嬌。咲いてみればある程度素性は分かるかもしれないが、ほとんどが庭取りの種なので、その素性自体が怪しい。
 次いで、去年取った種の遅い播種。ゲラニウムの発芽はそのままでは不安定なので、一つ一つ紙やすりで擦って傷をつけた後、水を吸わせる。ゲラニウムWebさんに教えてもらったこの方法で発芽率は高いが、その後の管理がいい加減なので、2年生存率は結局1割程度だろうか。千仞の谷を這い上がる獅子の子の如く、スパルタ栽培を生き抜いた先の苗はこの初夏、きっといい花を咲かせてくれるだろう。