花園の北極熊

 BShiを見ていたら、心が震えるような映像が。ホッキョクグマがヤナギランの大群落の真ん中で、花に酔いしれたようにたたずみ、静かに時を送っているのだ。
 岩合光昭はしばしば信じられないような動物の姿を見せてくれるが、ここにもその奇跡がある。ピンクの花園と真っ白な熊の映像のなんと美しくスピリチュアルなこと。思わず画面をキャプチャーしてしまったが、ブログに載せるには障りが多い。「デジタル岩合」というサイトがあって(意味のわからないことにリンク禁止を標榜しているが)、カナダのギャラリーに行くとホッキョクグマを始め、多くの動物の写真を見ることができる。ヤナギランと熊の写真もある。
 この大きな美しい動物がおだやかに憩う様が感動的なのは、我々がこの動物に迫っている危機を知っているからでもある。このほとんど神聖な極北の世界が人間のせいで壊れるなら、それは深い罪科であり、はかりしれない喪失だということを、これらの映像は教えてくれる。