夏雲


 久しぶりに日射しの戻った日。雨に洗われた大気はよく澄んで、空の青も雲の白も輝くばかり。デッキでしばらく光を楽しんでいると、燕が気持ちよげに庭の上を行き来する。いたずら好きのカラスたちが群れ騒ぐ声もどこかでするし、蜂や蝶も忙しげに飛び回る。雨とガスに閉ざされた何日かの後で、今日は空の生き物たちの解放の日。翼のない当方は、気持ちだけ空に憧れ出でつつ、夏雲めざして高く登る日のことを考える。そろそろ今年の夏山のプランを練らなければ。