柳下絵古今集和歌色紙


 先日の「ガレとジャポニスム展」には、ガレにまじってサントリーミュージアム所蔵の日本の名品もさりげなく展示されていて、二倍おいしかった。乾山の茶碗もよかったが、この宗達の色紙は小品ながらみごとなもので、めっけもんといえる遭遇だった。帰りに売店をのぞいたら絵はがきがあったので、買って帰ってスキャンしてみた。
 俵屋宗達の絵は、繊細な柳の枝の向こうに薄茶や代赭色の落ち葉の影、そして苔だろうか黒緑のかたまりが深々と重なっていて、見飽きない面白さがある。書は本阿弥光悦古今集のよみ人しらずの歌「秋風にあへずちりぬるもみぢばのゆくゑさだめぬ我ぞかなしき」。歌もいいな。