Windows版Safari

 Windowsに正式対応したSafari3.1がリリースされたというのでダウンロードしてみた。Macの標準ブラウザだけあって、見た目のかっこよさは言うまでもない。加えて、動かしてみて驚いたのは、文字の表示がすばらしくきれいなこと。
 フォントスムージングというのだろうか、Windowsで見慣れたギザギザのビットマップフォントではなく、アンチエイリアスのかかった滑らかなフォントが表示される。Windowsのブラウザでこんなきれいな文字表示が見られるのは初めてではないだろうか。
 一驚を喫して設定を変えていろいろ試してみたが、なんと入っているすべてのフォントがスムーズになる。最新のWindows Vistaでさえ、メイリオでしかこんなことはできないのに、どうなってるんだろう、Safari。いや、むしろ、どうなってるんだ、Windowsネイティブのブラウザたち!
 こうなったら、もうSafariに乗り換えと言いたいところだが、文字表示以外では不満点が多い。一応タブブラウズ対応だが、一々Ctrlキーを押しながらリンクをクリックしないと新しいタブが開かないし、普段重宝しているマウスジェスチャーも使えない。これではちょっとなあ。
 それに抜群にきれいな文字表示も、フォントと行間によってはかえって読みにくくなる。最近は表示フォントを指定しているサイトも多く、太めのゴシックを指定しているページなどは、かえってビットマップフォントの方が読みやすい場合がある。見た目のきれいさと読みやすさは必ずしもイコールではないのだ。
 ちなみに、このはてなダイアリーSafariで見ると、なぜか文字はすべてゴシックになっているし、行端がえらく不揃いでまったくうれしくない表示になっている。Windowsネイティブのブラウザではブラウザ側で指定したフォントのビットマップで表示され、それなりにすっきり控えめで特に文句はないんだがなあ。
 よって普段使いのブラウザはこれまで通りSleipnirのまま。Safariはときどき目の保養に利用させてもらうことにする。他のWindowsブラウザには、Safari並みのきれいな文字表示の実現と、さらに願わくば使用者がフォント表示を適宜手軽に切り換えられるような機能を期待したいものだ。ブラウザももう読めればいいという時代ではなく、より美しくかつ読みやすく、しかも好み通りの文字表示の実現をめざすべき時代ではなかろうか。それができるなら、必ずしも無料でなくとも需要はあると思う。