丹波の秋

 幾日か続いた小春日和も日曜で終わりそうなので、丹波の秋を訪ねてドライブ。最終目的地は茅葺き集落で有名な美山に設定して、篠山から山村を縫う道をのんびり走る。といっても、カーナビは地図音痴が頼る機械と偏見を持っているので、ルートは事前にマップファンで考えて、プリントアウトしてある。いくら楽でも機械まかせにして、ルートをプランニングする楽しみを放棄する気にはなれない。
 今が盛りの山里の黄葉を嘆賞しつつ、道の駅に寄ったり、パラダイスチックな田舎の温泉をのぞいたり、昼御飯の店を探したりしながら、だいぶ陽も傾いた頃、ようやく美山のかやぶきの里に到着。驚いたことに立派な観光地で、県道沿いに大きな駐車場があり、たくさんの車が停まっている。そこからゾロゾロ列を成して集落を見に行く。
 由良川が流れるさほど大きくない谷の南斜面に茅葺き民家の多い集落が広がっている。別に入村料を求められるわけでもなく、フリーパスでたくさんの観光客が集落のなかの道をうろうろしている。集落の半数以上が茅葺きで、遠くから見ると並行に棟を並べた同じスタイルの屋根が村の眺めを整ったものにしている。観光客が押し寄せても特にメリットがあるわけでもないだろうに、村の景観への誇りが住んでいる人にあるのだろう、どの屋根もきちんと手入れされている様子。それにしても、休み毎に庭先をぞろぞろ歩かれては迷惑だろうなあと話しつつ、当方も遠慮なく写真を撮りつつ一周する。柿と茅葺き屋根はよく似合うなあ。
 車に戻ると日が翳った谷はもう肌寒い。来た道を急いで戻り、氷上の大きなスーパーで買い物をして帰った。
丹波秋景
美山町かやぶきの里1
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