入冬

 中国語では春夏秋冬に入をつけて、季節の始まりを表現するようだが、日本で季節の起点に入を使うのは入梅くらいだろうか。昨日は一日、まだ紅葉も済んでないのに、木枯らしと呼びたいような冷たい風が吹いた。丘の上のキャンパスをうろうろしていたので、風邪をひきそうだった。今日は一転風のない穏やかな日だったが、各地のライブカメラをのぞくと、一気に冬の気配が濃くなっている。
 確か数日前、花婿花嫁の記念撮影がタイミングよく写っていた上高地ライブカメラも完全に雪景色。バックの穂高の岩壁には、低い冬の雲がまつわっている。立山ライブカメラはもうほとんど白一色で、山スキーだってできそうな雰囲気だ。10日前に登った大山にも降雪があった。大山の紅葉情報のサイトには、雪と同居する紅葉の写真が載っている。先日下りついたスキー場からの写真も、下は紅葉真っ盛りなのに、上部は白。ユートピア小屋辺りの草原も、今日は冬を先取りした雪原の景色だろう。
 この辺りは雪はおろか紅葉もこれからだが、明け方は掛け布団一枚では頼りないような冷え込みが始まっている。家の周りの木々も身震いをして冬への準備を速めそうだ。今年は昨冬のような寡雪でなく、積もるところにはしっかり積もる冬であればいいのだが。