秋暑

 彼岸だというのに盆の頃のような夏日が続いている。これではまるで常夏の国。突出した気候の異常の後には、それとバランスを取るように揺り戻しがやってくる、というのが気候をめぐる一般的な経験則ではなかろうか。たとえば極端な暖冬・寡雪だった今年の冬の後には、寒い4月(山では遅い雪がたくさん降った)と五月晴れのない5月がやってきたように。ところがこの夏の猛暑は、揺り戻されるどころかいまだに持続している。この先どんな秋と冬になるのか心配だし、調子の狂いっぱなしの2007年が大きな地球単位の変動の前触れではないか、少し不安も感じる。とりあえずこの連休の山は、まだ紅葉の走りさえ期待できそうにないな。
 鐵齋さんが昨今にぴったりのこんな詩を書いていた。
 ○秋暑
 秋暑は夏よりも酷なり
 午天 気 燃えんと欲す
 家々 人 熱悩す
 酔うが如くたおれるが如し