川瀬巴水展

 以前にカタログを請求したせいか、渡邉木版美術からタダ券が送られてきたので、用事ついでに守口の京阪百貨店川瀬巴水展を見てきた。やっぱり心地いい風景版画。渋くて微妙な色合いが洗練されているし、彫りと刷りも細かくて端正。一枚どこかに懸けておきたくなる絵だが、原刷りのものは下手をすると何10万とする。現代の後刷りなら2万ほどで買えるけれど、売店に展示されているのを見ると、どことなく鮮明さに欠けるような。版の痛みもあるだろうし、もしかしたら技術的にも大正・昭和前期の木版画の再現は難しいのかもしれない。もし巴水の絵を、どれでもいいから一枚どうぞと言われたら、迷いに迷って、少し渋すぎる感じもするけれど、ご当地絵ということで、この辺りかな。
尼崎大物(昭和15年