御嶽山の花

 同じ火山にもかかわらず、花の山白山とは対照的に、御嶽山は花の乏しい山だ。今回よく目についたのは、イワギキョウ、イワツメクサ、ミヤマダイコンソウくらい。他にこの山が名の由来のオンタデ、ヨツバシオガマ、火山砂礫のザレ場にコマクサを少し見た程度で、種類も量も白山には遠く及ばない。
 火山としての活動履歴は白山の方が多く、御嶽は1979年に突然噴火するまでは死火山と考えられていたほど長らく休止していた。にもかかわらず御嶽に花が少ないのは、地質の違いや気候、特に冬の雪の量の差によるものだろうか。全体にこの山は水気に乏しく、乾いた環境に適応できる種類だけが分布しているように感じた(ただし、四ノ池火口には湿原があって、唯一のお花畑があるようだが、今回は未見)。
 山にも、成り立ち・構造・環境にさまざまな差異があって、それが一つ一つの山に独自の個性を与えている。山の個性を感じつつ登るのもまた楽しいのだ。
五ノ池近くで見たコマクサ