参院選

 自民大敗。けど安部退陣はすぐにはなさそう。憲法改定の野望がこれで立ち消えになるかといえば、微妙だろうなあ。民主は勝ったけど、棚ぼたの感が強い。為政者・行政官・公務員の頽廃が次々に露わになって、その責めは当然与党に行ったわけだが、成り立ちから言って民主の面子の多くは同じ穴の狢じゃないか。本当に「生活が第一」だと思うなら、派遣労働禁止ぐらいのことを言ってもらいたいもんだ。
 政権の行方については次の衆院選が焦点になってくるわけだが、日本人は健忘症なので間が開くほど与党は楽になるだろうなあ。選挙に働く基本的な力学が、単純な隔選現象というか、干満の繰り返しだとすると、次の選挙は与党にとって巻き返しの番ということにもなるし。早めに衆院解散に追い込みたい野党、自民も安部の不人気や不祥事が続くようなら、首のすげ替えもあるかも。などと傍目八目ぶった政治談義が、テレビでもネットでも今晩は花が咲いているのだろうが、考えてみるとそういう政界劇は、我々の生活をよりよくするための政治の役割とはほとんど関係がない。そういう政界の覇権争いをジャーナリズムがさも政治そのもののように報道したり予想したりするのにも、最近は辟易するものを感じてしまうのだ。国民の生活と正面から向き合って知恵を尽くして政策を検討する前に、組織の優劣に血道を上げている今の政治のあり方を見ると、議員政治、政党政治、ひいては間接民主制の限界を感じないわけにはいかない。尊敬も共感ももち得ない候補者になけなしの一票を投じ、彼らのクサイ政治パフォーマンス、理念なき離合集散を眺めているしかない今の選挙というものに代わる、新しい民主主義の手法はないもんだろうか。