雉鳩


 このところ毎朝庭にやってくるキジバト。変におっとりしたやつで、犬が吠えても人が近づいても平気な顔で草の実をついばんでいる。よくよく見ると、羽根の茶色と黒の模様や首の両側の青い飾りがなかなかきれいだ。キジなんていういい名前をもらっているのも納得。この鳥とはけっこうつき合いが古くて、昆虫少年だった頃、朝早くカブトムシを取りにいった櫟林で、あの独特の拍子の声が響いていたのを思い出す。姿が見えず何の声とも知れずに、気味悪い思いをしたものだ。声の主がこんな穏やかそうな鳥だと知ったのはずいぶん後のことだ。