モッコウバラ

Rosa banksiae
 ゴールデンウィークに合わせるようにモッコウバラが咲き始めた。フェンスの上に這わせたのが年々立派になり、たくさん枝を垂らして、その枝にこの時期、びっしり黄色の八重の花をつける。下から見上げるとまるで花の滝だが、一つ一つの花房を見ると、小さな蕾がなかなかチャーミングだ。中国原産のバラで、有名なプラントハンターのジョージ・フォレストの本には、20世紀の初頭、中国奥地でこのバラの素晴らしい並木と出会った感動が記されているとか。それから百年、今では世界中の庭をこの特異なバラが飾っている。モッコウバラといえば黄色が一般的だが、フォレストが見たのは純白のもので、最近は園芸店でも白の苗をよく目にする。黄色よりも一層魅力的で、一鉢買って帰りたくなるが、旺盛な成長を考えるとそうもいかない。このバラを植えるときは、やがて巨大な枝張りになることを想定しておかないと、後で難儀することになる。