オールド・ブラッシュ

Rosa chinensis 'Old Blush'
 大鉢でしどけなく咲いているチャイナローズのオールド・ブラッシュ。雨の多い中国生まれのバラなので、きっと黒点病にも強いはずと導入したのだが、とんだ短慮だった。簡単に黒点病にかかり、殺菌剤を使わないうちでは、夏にはほとんど葉を落としてしまう。今だって、すでに下葉にはたくさん黒点が生じていて、全体に広がるのは時間の問題だろう。冬に石灰硫黄合剤で消毒しておけば、発生を少しは遅らせることはできるのだろうが、この冬はさぼってしまった。かほどに耐病性のないバラだが、それにもかかわらず大変丈夫で、やられてもやられても葉をつけ、繰り返し花を咲かせる。黒点病が鳴りを潜める冬などは、遅くまで葉を繁らせている。暖冬の今年は、結局ずっと葉が残っていた。春には上品なピンクの、花弁の多い重なりの厚い花がうなだれて咲く。よくよく見ると、ちょっと頽廃の香りもする、“病める薔薇”という言葉がいかにもふさわしいうちのオールド・ブラッシュだ。