最初のゲラニウム

Geranium biuncinatum
 今年初めてのゲラニウムの開花。といっても冬の間、グリーンハウスに置いてたものだから、まあフライング。[Geranium Web]さんから種を購入して育てたゲラニウム・ビウンキナツムは耐寒性のない種類だが、無加温室でちゃんと冬越ししてくれた。この花、同サイトに「奇妙な原種」という紹介がある通り、花の開かない「閉鎖花」をつけるという不思議な性質がある。花が開かなくても、中で雄蕊雌蕊が自家受粉して種を作るという、何とも省エネ型の植物だ。うちのものも、最初に閉鎖花が咲き(咲いてないが)、しばらくしてこの普通の花が咲いた。写真の右下に二つ見えるのがその閉鎖花で、早くも種ができて鞘が伸び始めている。
 この「閉鎖花」という性質、実はスミレやツユクサといった身近な草花にも見られるのだという。スミレなどは春には普通に花をつけるのに、夏以降は他の植物に埋もれて虫を呼ぶことが難しくなるため、自家受粉だけで種を作ってしまうらしい。控えめに生きる植物たちのたくましいというか、涙ぐましい生き残り戦略。身につまされるもの無きにしも非ず、だなあ。