明治村

 土曜日は以前から行きたかった愛知県犬山市明治村へロングドライブ。といっても母親の里がこちらなので、40年(^^;ほど前に一度来たことがある。入鹿池が大きかったのと、チンチン電車が走っていたのぐらいしか記憶がないが。子どもの無料デーだったらしく、けっこう人が多い。こうなると博物館というよりも遊園地。遊園地に付き物の食堂の混雑と行列もあって、苦笑い。
 けど、保存されているたくさんのノスタルジックな建物は、眺めて楽しく、覗いて印象深い。保存建物の白眉はやはりフランク・ロイド・ライトの帝国ホテルの入口部分。この建築、内も外も特徴的なキューブに埋めつくされていて、東南アジアや南アメリカの古代遺跡を思わせる意匠は意外。大谷石の角の尖った角材が通路の周りにも突出していて、子どもなんかがほたえたら危ない。一流ホテルなので、そんなことは想定外だろうが、よくぞこんな意匠優先のホテル建築が許されたものだ。
 洋風建築だけでなく、立派な西園寺公望の別邸をはじめ、日本家屋も幾つか。鴎外・漱石が住んだ家は意外に部屋数が多いが、廊下がなく各部屋を通過しないと移動できない造り。露伴の蝸牛庵は外からしか見ることができないが、今の日本家屋が失った木の軽やかさや縁側・大きな障子開口の風通しの良さが感じられて、印象に残った。
 広い園内の移動は、SLや路面電車ボンネットバスで。懐かしい石炭の煙の匂いや市電の震動を思い出しながらのんびり明治建築を見て回る。大人も楽しめる、これはやはり遊園地かな。望むらくは、飲食物がもっと充実し、園の中央辺りにゆったり座って飲み食いを楽しめる快適なスペースがあれば、もっと魅力あるユニークなノスタルジック・パークになると思うのだが。
帝国ホテル・ライトの窓
同・ライトの椅子
学習院の院長官舎と桜(拡大)
文豪も踏んだ?鴎外・漱石邸の板張り
住み心地良さそうな露伴邸蝸牛庵