氷ノ山

 金曜は申し分のない天気で、土日は雨。それではと、イレギュラーだが金曜の5時起きで、また氷ノ山へ走る。前回爽快だったルートに味をしめて、また横行から。5日前よりさらに奥まで車で入れる。その先もかなり奥まで4駆の轍が続いていて、少々興ざめ。しかし、気温が高く早くも緩み始めた雪も、轍を踏めば沈まないという利点も。
 今日は林道合流を右に進み、大段ヶ平から登山道に入る。大屋町避難小屋辺りからブナが多くなり、気持ちのいい尾根歩きが続く。「神戸大学氷の山体育所」という看板のかかった通称神大ヒュッテを過ぎると、大きな無木立の斜面が現われ、その上に千本杉と呼ばれる天然杉の群落。また真っ白な大斜面があって、その先に古千本と呼ばれる群落。2つの杉の群落がこのコースを特色づけている。群落の周辺は無雪期には湿原になっている。今はもちろん深い雪に覆われ、立派な杉の間を枝から落ちる雪のしずくに濡れながらのんびり歩く。古千本から一登りで三角屋根の避難小屋とバイオトイレのある氷ノ山山頂。
 避難小屋からは登山者の賑やかな声が聞こえる。今日は春霞がかかって遠望は効かないが、南には先日登った三ノ丸が大きい。風が冷たいのですぐに下って、三ノ丸方向へ。シールを貼ったままソロソロ下り、鞍部の先に広がる大きな斜面を少し登って、ステージを拵えて昼食。左に氷ノ山山頂を仰ぎ、眼下にブナの谷を見下ろす気持ちのいい場所でゆっくり。頂上小屋で賑やかだった中高年グループが、手を振りながらやはり賑やかに通り過ぎていく。
 1時間ほどのんびりした後、グループの足跡に従って三ノ丸へ。展望櫓で遊ぶ声のするピークは左から巻いて、大きな南東尾根に入る。シールを剥がして、笹が少しだけ出た一面の雪原を滑り、左に振りながらブナの尾根に入っていく。雪は緩んでいるが、前回より藪が薄いので、ターンらしきものをしながら高度を下げると、まもなく林道。林道も雪が緩んで、傾斜の緩い場所ではストックを漕がないと進まないが、それでもスノーシューで歩くよりは遙かに楽。途中からの4駆の轍は、乗ると恐いほどスピードが出る。最後は路肩の雪を拾いつつ車に戻り、充実の一日を終えた。
4駆の轍が続く横行林道(拡大)
可愛い足跡になごむ
大段ヶ平から林間の道
大屋町避難小屋はいい雰囲気
ブナ林に囲まれた神大ヒュッテ
雪原の向こうに古千本
古千本を抜けると山頂はすぐ
山頂からの二ノ丸と三ノ丸
山頂を仰ぐ斜面で昼食