氷ノ山

 日曜日は氷ノ山へ。寡雪の今年はほとんど諦めかけていた山だが、戻り寒波で雪が復活しているというレポートが山スキーメーリングリストにあり、レポートの後追いで横行渓谷からとする。横行集落から先、道に雪はあるがわずかで、平家ヶ城跡休憩所まで車で入れる。雪に埋もれた長い林道歩きだけで終わってしまった去年とは大違い。スキーを履いて歩きだした林道の雪もあまり沈まない。沈む場所もMLレポートの主のものと覚しい轍のような深いトレースを踏めば沈まず楽に歩ける。
 1時間半で氷ノ山の東麓を半周する瀞川氷ノ山林道との合流点。左に進んで、谷を2つ越えた尾根の末端から三ノ丸の北のピークに続く尾根を登る。7〜8年前にはスノーシューで何度も登った尾根だが、スキーで来るのは初めて。取り付きから大ブナが多く、気分よく登って行ける。ただ埋もれ残りの笹や灌木もあって、登りには支障はないが、下りは苦労しそう。1時間ほど登った所で、ブナの根方で風を避けて早めの昼食。風は冷たいが、天気予報通り雲が切れ始めている。食べ終わって一登りで、懐かしい上部のブナ林に進み入る。すくっと立ち上がった大ブナの幹が見事に連なり、見上げるとブナの枝がドームのようにかぶさり、ブナの柱廊と呼びたくなる場所。今日は枝に霧氷がついて、広がってきた青空をバックに、風景はさらに荘厳だ。さらに一登りで、立ち木のない真っ白な三ノ丸の北のピーク。
 ピークからは隣の三ノ丸や氷ノ山山頂の大きな姿、そして北には扇ノ山に続く山々がみごとだが、風が冷たく、スキーの下りが気にかかって落ち着かないので、すぐにシールを剥がして下りにかかる。陽差しに雪が早くも緩んでいて、スキーの操作が難しく、そうでなくても慣れない藪の下りは手に負えず、何度もひっくり返りながら林道に下り着く。林道は一貫して緩やかな傾斜で、気持ちよく滑って行ける。陽に照らされた場所は雪が底面にくっつくらしくブレーキがかかり前のめりになるが、トレースに乗れば滑りはよくなる。まるでレールに乗っているように快調に下って、車着は1時半。せっかくの山上でもう少し遊ぶべきだったと、反省しきりの帰路だった。
雪の舞う林道を進む(拡大)
登路の尾根は大ブナの森
見下ろす谷にはみごとな原生林が
ブナの大木の回廊に進み入る
見上げる霧氷のドーム
登り着いた真っ白なピーク
シュカブラの雪原の向こうに三ノ丸
氷ノ山山頂と手前に二ノ丸
下りの林道は青空の下