小白山

 日曜日は豊富な雪を期待して岐阜県白鳥町の石徹白の山へ。毎年4月に出かける山域だが、今年は寡雪で大幅にスケジュールを前倒し。野伏ヶ岳への登山基地、和田山牧場跡から登山ルートを離れ、広々した野伏平を横断して、小白山(おじろやま)をめざす。登りやすそうな尾根を適当に登って、橋立峠の南のピークに登り着き、南へ下った鞍部にスキーと荷物をデポして小白山北峰へ。さらに稜線を進むと小白山本峰1609m。
 人気の山、野伏ヶ岳の影に隠れて、あまり人の訪れない小白山だが、この日は4人の中高年グループと、自分も含め2人のスキー登山者の計6人が集合。福井からという山スキーヤー氏は、1時間遅く出発して追いついてきた猛者で、「久しぶりに根性のあるトレースに出会えたので、負けてはならんと頑張りました」と尾根の急登具合を褒められたのには恐縮。「登りはともかく下りはボロボロなんですわ」と買い被りを打ち消しておく。
 その下りは荷物をデポした鞍部から、山スキーヤー氏のシュプールを追って滑降、と言いたいところだが、急斜面と慣れない大きな谷地形に飲まれて完全に腰砕け。尾根を行く4人グループに見られながら、何度も転倒しつつ下る。野伏平の横断も、傾斜を読んで巧みにスキーで滑りきっているシュプールを横目に、スキーに貼ったシールを頼りによたよた前進。和田山牧場跡からの林道の下りも、荒れた雪面を乗り越えたり、スピードを制御したりするのに四苦八苦。幸いに人目のない林道で何度も無様な姿をさらして、今年初めての本格山スキー登山の一日を締めくくった。ああ、日傾いて、道遠し。

和田山牧場跡からのパノラマ(拡大)
野伏平からの障壁のような野伏ヶ岳南面
小白山は柔らかな姿
大ブナの尾根を登る
途中から見下ろす野伏平
小白山北峰と尾根を行く登山者
あくまでスキーで登る猛者氏
北峰からは野伏ヶ岳の向こうに別山・白山の姿も
北峰から本峰へ向かう
本峰直下にはこわい雪のズレも
谷を楽々と舞い下る猛者氏のシュプール