マンサク

Hamamelis x intermedia
 気がつけば早くもマンサクが咲いている。オレンジ色のそっくり返った糸くずのような花が、固まって枝のあちこちについている。まったく花らしくない姿だが、わずかにいい匂いがするからやはり花だ。春先の大峰でよく目にする、黄色い極小の縮れた短冊形の花が、少しずつ散らばって枝を彩るあのマンサクとはずいぶん様子が違う。調べてみると、どうやら園芸種のオレンジ・ビューティという種類らしい。日本のマンサクと中国原産のシナマンサクの交雑種ということで、樹高はせいぜい2m程度の小さな木のよう。道理で、植えてもうずいぶん経っているに大きくならないはずだ。見上げる枝に、爽やかなレモン色の花びらが青空をバックにチラチラする、そんな早春の楽しみを期待して植えつけた木なのだが、他の木がまだ眠りについている真冬に、濃色の花びらの固まりを強引に枝にほころばせる姿には、毎年多少の戸惑いを禁じ得ないのだ。