明神平・2007冬

 土曜日は、あれこれ迷った末に、勝手知ったる明神平へ。今年は当然、台高北部も雪不足だろうが、金曜日の雨雲レーダーでは、紀伊半島にも一日雪雲がかかっていたので、それに期待をつないで毎年恒例の霧氷詣でとする。思惑通り山は林道終点からずっと新雪に覆われているが、積雪はごく浅く、前日の雪がなかったら地面がでていたところも多いはず。明神平までだいたいそんな雰囲気の雪の量。ただ、明神平手前は木々に繊細な霧氷がついていて期待が高まる。
 雪の薄い、踏み込むと下草が顔をのぞかせる明神平を素通りして、いつもの撮影ポイント、前山北側の大斜面へ。ここも雪はそれほど多くなく、まだ地面の凹凸が雪面に残っているが、周囲の木々が白く化粧していてなかなか見事な風景。輝くブナと青空のコントラストが美しい。でもよく見ると、それは霧氷ではなく、雪が枝についたいわば雪の花。細かい枝先までびっしり凍りつく霧氷のきびしい美しさにはやはり及ばない。これまでの経験では、明神平は霧氷に出会える確率がけっこう高いのだが、今回はあたりとはいえないようだ。
 続いていつもの散策コース、明神岳への稜線の左手に広がる、ゆるやかな傾斜のブナの平へ。ここまで来ると、吹き溜まりやすい地形のせいだろうか、雪は格段に深くなり、ようやくスノーシューの本領発揮。スノーシューを履くと、自然と歩幅が大きくなり、ゆったりおおらかな気分で歩ける。ブナやミズナラの大木の間を、漂うように気ままにさまよう時間が最高に楽しい。これがあるから、山スキーの魅力がいくら絶大でもスノーシューは手放せない。そのまま北へ、雪に埋まった沢を下っていくと、左から合流するのが明神平の水場から始まる谷。少し登って水場、さらに水無山側の斜面を歩いて、明神平で遊ぶ登山者の声が聞こえるところで、シートを敷いてゆっくり昼食とした。

真っ白な峰を見上げる(拡大)
霧氷の登山道
大又の谷を見下ろす
明神平とあせび小屋
前山斜面のスキー場跡
輝くブナ
青空に映えるブナ
大斜面を横切って
ブナ林の光と影
枝に咲く雪の花
真っ白な樹林をさまよう