小野・鴨池公園


 日曜日は買い物がてら、小野の鴨池に行ってみる。兵庫県では、伊丹の昆陽池とともに鴨の越冬地として知られる池。広々した河岸段丘の端っこにある小野の町を抜けて加古川に向かって下り、川を渡って対岸の丘陵地にまた上がる。すると丘陵の谷をせき止めた池が幾つか現われて、その一番大きいのが鴨池。
 いるいる、けっこうな数の鴨が水面に浮かんでいる。看板には白鳥観察などと書かれているが、白鳥の姿はない。(帰って調べてみると、近年、白鳥は近くの加西市の池が餌付けに積極的で、そちらに取られてしまっているよう。渡り鳥の飛来地も競争が激化して、お客〈鳥〉を取り合うご時世のようなのだ)カメラを持ってきたので、水際にそっと下りて写真を撮るが、どうも散漫な写真しか撮れない。鴨そのものは、少しハデ目な雄も地味な雌もきれいな姿の鳥なのだが、強力な望遠レンズがないと、いい絵は撮れそうにない。昔、風邪引きの身で真冬の野鳥観察に一日つきあうという取材を経験して以来、バードウォッチングという趣味にはいいイメージはないのだが、こうしてきれいな鳥を見ていると、双眼鏡やカメラで鳥を追う人たちの気持ちも分らなくはない。とはいえ、風の冷たさには勝てず、すぐに退散して町に戻った。