初詣


 元朝は檀那寺に年賀に行くのがこの村の習慣。コンクリート造りの本堂には檀家が贈った額類が所狭しとかかっていて、ミニミュージアム状態。一角に貼りだされた今年法事のある家の一覧を確認してから、金屏風の向こうに控えるおっさん(住職)に新年の挨拶。その足で地域の鎮守社にも詣でる。お神酒の世話をしていた当番の隣人としばらく立ち話をしてから帰宅。田舎暮らしは色々な約束事がわずらわしくはあるが、共同体のなかで四季折々の行事を共有しつつ生きる感覚が今もかろうじて残っていて、都会では得難い経験ができる。